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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第九章:人類の敵
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望む未来への為の演説


 「だ、騙されるな!魔族と関係を持つ、それだけでコイツは人類を貶めようとしてるのと同義だ!!」



 土帝が吼える。俺の言葉を否定したいが為に、掻き消すように。


 実際その言葉で何か思うところが有ったように見えた観客達のカオが、すぐに憎むようなものへと変わった。

 それを認めた上で、せめて暴言を吐いてくれるなと願いつつ、言葉を紡ぐ。



 「仮に、だ。仮に今土帝が否定した通り、今回のことが全て魔族由縁のことだったとして、その魔族を庇うようなことを言った俺が本当に土帝の言う人類を貶めようとしている存在だったとして、じゃあなんで実力行使に出ていないんだ?」


 「そ、それはっ……」


 「さっきの俺と奴との戦いはここに居た全員が見ていた筈だ。どれだけ俺が強いかはわかった筈だ。少なくとも俺は総帝と渡り合える実力が有ることを証明した筈だ。


 じゃあ、帝達全員を相手取っても余裕で勝てる総帝と実力が互角の俺が、本気で人類をどうこうしようとしたとしたら、どうこう出来るんじゃないか?それが出来るだけの実力が有ることは証明されたのだから」


 「それ、は……」


 「ここに転移する直前に俺を無力化するか殺すかしようとした土帝と水帝は逆にすぐに無力化されたよな?それも無傷で。俺がやろうと思えばここに居る全員を殺そうと思えば簡単に殺せることはわかるだろ?


 じゃあなんで言葉を尽くしてると思う?する必要が無いからだ。

 魔族と関係を持つ時点で人類の敵だ?アイツは俺が本気になっても物の数秒で挽き肉にされるぞ。というか何度もされたことが有る。

 じゃあ何故そんな俺より圧倒的強い奴が本当に人類をどうこうしようとこれまで行動して来なかったんだ?しようと思えば俺より簡単に出来ただろうに。


 魔族とは相容れないという気持ちは理解は出来るが、結局それはアイツ等のことを知らないからだ。知らないから恐れる。排除しようとする。

 それ事態は否定しないが、それでも自分を助けてくれた相手に喧嘩を売るようなことをするのは止めようって言うのはそれほどおかしなことなのか?」


 「そ、れ、は……。だ…が!」


 「土帝、お前が俺の言葉を否定しようとするするのは良いんだよ。たぶん、アンタの性質的に俺とは相容れないんだろうからな。合う奴合わない奴という話なだけだ。

 気に喰わない奴が気に喰わないことを言う。だから否定したい。普通のことだよな?

 気に喰わない奴に助けられた。だからお礼なんて絶対に言いたくない。そう思うのも普通のことだよな?お礼なんて言いたくないから黙り込む。普通のことだよな?でも、憎まれ口を吐いたとしても、恐らくそれは心の底からの言葉では無いよな?


 俺が言ってるのはそういう普通のことなんだよ。

 気に喰わない奴に助けられた。でも助けられた恩義が有るから憎まれ口だけは言わないようにする。そういう普通のことをお願いしてるんだよ。


 俺、そんなにおかしいこと言ってるか?」


 「…………」



 土帝は完全に黙った。



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