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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第九章:人類の敵
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VSフォルティス・サクリフィスⅣ


 端から見れば、見方次第では互角に見えているだろう俺達の戦いは、徐々に俺の瞬間的な出力負けにより押され始めた。


 理由は簡単だ。それまでクソ野郎は是が非でも俺と同じ土俵で戦おうとして来ていた。だからこそそこに付け入る隙が有った訳だが、クソ野郎はその戦い方を止めて風の刃の乱打やその風の刃に火を纏わせるなど、他属性も合わせた応用で攻め始めた。


 火を纏い炎の刃となったそれを水では防げる。

 だがその後ろに隠すようにして放たれた炎帝を思わせる火力を放つ刃は、既に放たれた炎の刃を受け止めたことで脆くなった水の防壁では防ぐことが出来ず、その熱が俺の体を焼くことが増えた。


 飛んでくる刃に意識を割けば、今度は足元から土属性による攻撃を仕掛けられる。

 水で岩を砕き土へ、土を水で泥へ変え地面からの攻撃を防ぐが、有り余る魔力の暴力の力押しで無理矢理体に土石流のような攻撃を受ける。


 水の操作はトラトトのおかげで余分な魔力操作を意識しなくて済むのは楽だが、1秒にも満たない時間の中で要求される選択肢が多過ぎて、致命傷を受けないために立ち回るだけで精一杯だ。



 「サース、僕はね、本当は回復ですら水属性を使いたくないんだ」



 クソ野郎の独白が耳に届く。

 話を聞いてほしいのなら少しは攻撃の手を緩めれば良いものの、そんな互いへの良心みたいなものが無い俺達には、有るとすればより過激な追撃だけだ。



 「だって水属性って、君が使う属性だからね。使えば使うほど君に頼ったみたいで敗けた気がするんだよね」


 「だったら回復なんかせずそのままくたばりやがれ!!」


 「ハハハ、ヤダよ。なんで君に確定的に敗けることがわかってる局面でまで自分の行動を縛るのさ?そんなこともわからないとかバカなの?」


 「俺をバカにするなら1つでも自分だけの何かを産み出してからバカにしやがれ猿真似しか出来ないザコ!!」


 「…………流石に今の言葉は我慢出来ないなぁ」



 魔力の圧が増す。

 視れば、視界は自分の水属性も含めて4色に染まる。


 地面は茶色1色に。

 空中は薄緑と赤色の2色に。

 そして俺を覆うように俺から離れていく薄緑色。


 おおよそ何をしようとしているのか、何を企んでいるかを察した俺は、本当に後が無いことを理解した俺は、全ての空気が俺の周りから無くなる前に、水の腕に回していた水を全て使って自分を覆い隠し、中でクソ野郎がやろうとしていることに備えることにした。



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