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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第九章:人類の敵
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卒業試験:VS総帝Ⅱ


 開始の合図と共に突っ込む、ということはせず、逆に距離を取って周囲に黒く染めた水球を数えるのも馬鹿らしいほどに展開する。


 展開したものを圧縮、回転させて、それを奴を囲うように奴を中心に回す。


 人差し指を立て真っ直ぐ伸ばした腕で天を指す。


 展開しては圧縮して回転させ奴の周囲に回す。これを何度も何度も繰り返し、まるで奴の周りを大量の蟻が飛び回ってるように見えるまで圧縮と回転を繰り返し回した。


 この間約5秒。当然戦いの場での5秒など油断も良いところだが、相手は完全に俺をナメ切っている。

 ならばこれを利用しない手は無い。


 挙げた手を奴を指し示すように下ろす。



 「殺れ」



 その号令により奴の周囲を回っていた黒い水球は一気に距離を詰め、奴の肉片すら残さぬ勢いで奴を削りに掛かる。


 これの発想元は魔王から借りた本に書いていた水の圧縮に関する記述と回転に関する記述だ。

 曰く水は圧力を掛ければ掛けるほど破壊力を増すらしい。

 曰く回転とは全てを弾き削る破壊力を産み出すらしい。


 そうして生まれたこの運用方法は、小さくしたことでより殺傷性を増しあの魔王にすら届いた魔法だ。

 魔王にはすぐに再生されて逆に泣かされたが。


 だから理論上ではこれで奴の命は終わりで呆気ないものになる筈だった。

 しかし結果はそんなことなく、奴に水球が触れると同時に触れた水球はその悉くを破壊された。



 「面白い発想だねサース君。こうやるのかな?」



 そう言って奴は俺がやったことと全く同じことをやり返してきた。

 そうしていざ俺に標的をと捉えようとした。



 「あれ、何処に行ったんだッ?!」



 しかし奴が俺を捉える前に水球を囮に奴に近付いていた俺が奴の頬を遠慮無く殴り抜く。


 どうやら全身に破壊属性を纏っているようだったが、手に纏わせた魔力が剥がされただけでそれ以外にダメージは無く、剥がれた魔力も既に補填済みだ。


 殴ったことで奴の体が壁まで飛んでいき、壁に衝突することで止まる。

 そこで追撃しても良かったが、敢えて何もせずに壁に体を預けているであろう奴へ挑発の言葉を吐く。



 「手ぇ抜くならそれでも良いが、手ぇ抜いてる間に死んでも知らねぇぞクソガキ」



 返答は、普段じゃ目に見えないほど細く鋭い破壊で出来た針だった。



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