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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第九章:人類の敵
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卒業式


 第九章、始まります。




 「おはよう卒業生達。2年間よく学びよく結果を出した。


 君達にはこれから沢山の出会いが訪れることだろう。沢山の別れが訪れることだろう。沢山の想いとぶつかることだろう。


 しかしこの学園で2年間の時を乗り越えた君達にはきっと乗り越えられる力が身に付いていることだろう。


 だから前を向いて己の人生を歩み続けなさい。

 時には当然立ち直れないほどにどうしようもない時が来るかもしれない。もしかしたら立ち行かなくなり犯罪者に身を落とす者ももしかしたら居るかもしれない。


 だが忘れてはいけない。少なくともこの学園を今日卒業する君達には、今挙げた苦難程度であれば乗り越えられる力が既に備わっている筈だ。


 立ち直れないならここで結んだ縁を頼りなさい。

 犯罪者になりそうならその前に1度誰かに相談しなさい。

 もしも犯罪者になってしまって、でも改心したいからその手伝いをしてほしいと言うのであれば我々学園の先生達を頼りなさい。

 それでももし立ち行かなくなったなら、その時は、持てる力全てを使って抗いなさい。

 人生に、『報われない』なんてことは決して無いのだから」



 全校生徒と教師達全員を収容しても尚その数倍は収容出来そうなほど大きな講堂にて学園長である土帝の声が響き渡る。風属性の魔法で声という音を運んでいるのだろう。


 演説する土帝側の壁際には学園の教師陣に加え炎帝と水帝の姿と総帝のローブを着た誰かが居る。

 何故総帝本人ではなくローブを着た誰かと断言したかと言えば、当の本人であるフォルティス・サクリフィスの肉体は俺の隣に在るからだ。


 久し振りに見たクソ野郎の体は、もしも幼少期に股にぶら下がった物を見ていなければ俺を含めた誰もが美女と間違うであろうほどに整ったものになっていた。

 それこそ入学当時にはもう少し男らしい体だったと言えば違和感しか無い風貌だが、今との違いを「成長によって性別的特徴を隠しきれなくなってきた」と言われれば納得しそうなほどの差異しかない。


 元々中性的な奴だったことも理由の1つだろう。

 だが、俺や魔王など事情を知る者達からすれば、それがどういうことかなど語るまでもないことだった。


 恐らくフォルティス・サクリフィス本来の人格であるクソ野郎は、恐らく、恐らくもう居ない。その可能性が非常に高いということを。



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