▼side Another act4:「楽しみ」Ⅱ
昨日は更新出来ずすみません。
カクヨム様の方ではきちんと予約投稿出来ていたのですが、小説家になろう様の方では出来ていませんでした。
執筆の為にページを開いた時に気付きましたので、気付いたと同時に昨日の分は更新させていただきましたので、まだお読みでない場合はそちらから読んでくださると幸いです。
改めて失礼いたしました。
「なんなんだお前は!急に現れて、俺達が何をした!」
1人の男が立ち上がろうと藻掻き、しかし力足らず地に顎を打ち付けるという動作を繰り返す。
既に彼の味方は居ない。彼の味方は全員ラズマリアに殺された。
「お前等ニンゲン共が俺達にやって来たことをやり返してただけだろうが!お前等が先に俺達を追いやったんだろうが!なのになんで俺達がやったら滅ぼされなきゃならないんだよ!!」
「良い。こうやって魔族はニンゲンの言葉を使って情に訴え掛けて来ることが有る。でも聞き入れちゃダメ。聞き入れたら最後、そこを突け込まれる」
そう後ろに居る帝達に言い聞かせるように言うと、ラズマリアは男へ近付き彼にしか声が届かない距離に来た所でしゃがむと、彼にしか聴こえない声量で繊月を思わせる笑みを浮かべながら、ソッと彼の頭に手を置いた。
「そもそもお前がアレと同じ魔王を名乗ってるのが痛々しいし、仮にも魔王を名乗ったのならいずれにせよお前を私は絶対に殺しに来たよ」
そう言って彼女の手から人の頭ほどの太さが有る破壊のレーザーが放たれ、人界にて魔王を名乗った者とその男に追従した集団は殲滅された。
魔王を名乗った男を殺したあと、彼女は静かに立ち上がり、嘲笑するのを隠さず「アレの名前を騙るならせめて後ろのゴミ共に勝てる程度になってから宣えよ愚図が」と溢す。
そして後ろに振り返ると同時に一瞬前の嘲りは姿を完全に隠し、笑顔で「さぁ皆、私達の家に帰ろうか」、そう言った。
着いて来た炎帝、水帝、土帝は顔を見合せ、彼等の横を通り過ぎようとしているラズマリアに着いて歩く。
それを気配で感じ取りながら、ラズマリアは本当に待ち遠しいそうにこう言う。
「あぁ、明後日が楽しみ。どうやって絶望させてやろうかな」
その表情は何故か目深に被られたフードで見えなかったが、もう1度「楽しみ」と呟いたその声色は、小さな子供が新しいオモチャを貰った時のような、そんな明るいものだった。




