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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第八章:世界の王
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▼side Another act1:魔王様は焦れったい


 「くっ付かないかな」。魔王はサースとガレリアを見てそう考えた。


 魔王がそう考えるようになったのは、エルフの郷の王をナディアに代えた時だった。


 最初、魔王にはナディアはただのエルフの郷という世界の新しい王の器という認識しか持っていなかった。個体名は世界の王になったのなら覚えようぐらいの意識しか無く、それ以上の価値を彼女に見出だしていなかった。


 事情が変わったのはサースが彼女を助ける為に魂に干渉する神具に相当する物を産み出したことだった。

 魔王の認識ではあの時点でサースは四肢を落とされ種馬にされていた。それは何よりもサース・ハザードという人間への侮辱だ。それの首謀者も、それに加担した者も、その関係者も、全員がサースの敵で、だから全員殺すか同じように四肢を落として放置するのだろう、だからエルフの郷の王の前任者を消そうと、その結果全てのエルフの郷のエルフが死のうとどうでも良い筈だった。


 しかし当のサースはナディアを助ける為にセスフンボスを使った。それはそれまでのサースを知る魔王にとって不思議なことだった。


 だから彼女への興味が湧き、器としてもちょうど良かった為に魔王はナディアを次のエルフの郷の王にした。魔王的には1からの方が楽だったが、サースが望むならと残す形を取った。


 その後の2人の様子を観察するため密室に閉じ込めてみれば、まぁ焦れったい。

 サースは意識しないようにしているのか、それとも本当に気が無いのかは不明だったが、ナディアの方は完全にサースへ気が有った。


 これは面白いと魔王はその後も観察を続けたが、ナディアはナディアでサースが嫌がることはしたくないのか1歩を踏み出さず、しかししっかりと女としてのアピールはしていて、ナディアのいじらしさがイギライアに通じるものが有り、自然と魔王は「早く告白して付き合ってしまえ」と思うようになった。


 そんな関係を数年見せ続けられ、しかし一向に進展が無いため、魔王はいい加減動けと勝手に苛立ちを感じ始めていた。



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