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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第二章:違和感
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▼side Another act1:「そういうことです」


 「サース君ですよね……」



 今回のイベントで彼等が班になったのは帝達に仕組まれた物だった。

 当然、当初ウィンターが言った学園側の理由もそうなのだが、サクラ共和国としてはそれぞれの国の重要人物や要注意人物を何か有ったとしても大丈夫なように固めておきたかった。そのような有無を帝側から学園側へと告げられ、そして決められたのが最初のあの班だったのだ。


 しかし蓋を開けてみれば学園側にしろ帝側にしろ想定外のことが起き過ぎ、急遽見張り役を総帝を含めて4人置き、今の帝達にとって注目しているサースの5人で班を作らせた。

 そしてウォイムは父である炎帝からサースを観察するように指示を受けていた。今回彼がこのギルド長室へと訪れたのはその為だった。

 水帝が居るのはたまたま……という訳ではなく、彼女自身がサースに興味を示していたため、炎帝から話を聞き報告を聞きに来たのだ。


 父であり炎帝である父から聞かれたウォイムはカップに視線を落としながらどう話すか悩んだ。しかし答えは出ず、そのまま感じたままを話すことにした。



 「サース君は良くも悪くも庶民から生まれた天才というのがしっくり来ますね」


 「庶民から生まれた天才?」


 「そうです。彼の目線は何処まで行っても庶民的でした。私やウィンターやグリーランは形は違えどそれぞれ身内に政に関わる人達から少なからず教育を受けています。総帝であるフォルティス君も総帝に必要な教育を少なからず受けているでしょうから上に立つ者の視点というものを理解しているでしょう。


 しかしサース君にその視点は無い。だから彼の中で『弱気者を切り捨てる』という決断をその時に下せない。上辺だけなのか彼の中で切り捨てるや見捨てるという視点は有るみたいですが、その時に下せない。

 そういう教育を受けていないのだからそういう決断を下せないのは仕方ないです。なんなら切り捨てる見捨てるという視点を持てていることが凄いです。


 それに加えて彼の持つ知識と技術は凄まじい。1つ下だとは思えないほどに凄まじい。しかもそれが全て独学というのがもはや言葉が出ない。

 だから彼は正しく天才です。でもその視点は庶民的です。だから」


 「だから庶民から生まれた天才と」


 「そういうことです」



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