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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第八章:世界の王
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世界の王の魔力


 「じゃあガレリア、俺の隣に来てくれ」



 セスフンボスを閉める前にガレリアにそう言って隣に来てもらう。


 そしてセスフンボスを閉めて、彼女にもセスフンボスに手を着いてもらう。



 「今からコイツが俺達の魔力を馬鹿みたいに吸ってくる。それに全部持っていかれないようにしつつ魔力を流してくれ」


 「随分難しい注文をするわね……。良いよ。やってみよう」


 「うーん、それはやめておいた方が良いんじゃないかな」



 さぁいざ魔力を注ごうとした時、魔王に止められる。

 視線を向け、どういう事かと目で問えば魔王は淡々と理由を説明してくれた。



 「彼女はもう世界そのものだ。そんな存在の魔力を吸わせるってことは、世界の魔力を吸わせるってことと同義だ。それは世界の魔力なんて極上な物を食べてどうにか出来る代物なのかい」



 言われてみれば魔王の言いたいことは尤もだった。

 確かに俺が使う物ではない。使う物ではないが、世界の魔力なんて物をもしセスフンボスが覚えれば、もしかしたら今後それ以外は吸わないようになってしまうかもしれない。そうなれば俺がもう使えないことになってしまうかもしれない。


 確かに魔王と会う前と比べれば俺の魔力は倍近く増えた。だけどそれは、同い年の平均的な総魔力量と比べればまだまだだし、魔王や世界の王と成ったガレリアの総魔力量と比べれば言葉が必要無いほど圧倒的な差だろう。

 セスフンボスからすれば、海の中から混ざった1滴の血を見付けるような、そんな無謀で俺の魔力なんて意味の無いものとなるだろう。


 個人的にはガレリアにも関わってほしかったが仕方がない。ガレリアに魔力を送ってもらうことは諦めよう。



 「悪い、魔王の言う通りだった。だから魔力は送らなくて良い」


 「まぁ、私達の世界の為にやってくれてるらしいから良いんだけど、じゃあ私は何をしたら良いの?」


 「祈ってくれ」


 「祈る」


 「これから創ろうとしているのは最終的に創りたい物の心臓部と言える重要な部分だ。入れた物と入れた物を混ぜて別の物にする、そんな物のコアだ」


 「コア」


 「イメージ出来ないのならただ完成を祈っていてくれ。完成した結果、これからのこの世界が繁殖による繁栄に困らない、そんな未来をイメージしながらその未来を願ってくれ。たぶんコイツはその願いを吸う」


 「これは……、いったいなんなの……?」



 今更だが尤もな疑問がガレリアの口から漏れた。

 それに対しての答えは、セスフンボスが完成した時に魔王が言っていた物が最適だろう。



 「パンドラの箱らしい。詳しいことは魔王に聞いてくれ。俺もこの言葉の意味を魔王から聞いた」



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