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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第八章:世界の王
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認識の拡張


 魔法については薬学の時よりも学びが多かった。

 特に重要だと思ったのは物事の捉え方についてだ。


 本来植物や魔物、延いては人間へ形を変えるほどの干渉は出来ない。精々俺の奥の手のような動きを止めるだとか回復魔法による治癒ぐらいだ。俺の奥の手の原理は体内の水分に干渉してその水分に動くように魔力で指示を出しているだけで、その指示を出す魔力をどうにかされれば相手に干渉出来ない。どう頑張っても腕の形を変えるみたいな本来の在り方を変えるような干渉は出来ないわけだ。


 だがエルフの郷のエルフ達は木、延いては植物という括りで生物に干渉出来る。ここに来てからは特に散々見せられた、まるで己の手足かのように育ち伸縮し形を変える木は木属性によって動かされていると思っていたが、どうやらそうではないらしい。


 ガレリア曰く、共存なのだそうだ。

 木などの植物にはまず人間のような明確な自我は無い。魔物や動物などの物よりもその自我は無いらしい。

 木属性の原理は、この木という生命に魔力という力を余分に渡すことでこちらのお願いを聞いてもらうという共存関係が肝要なのだそうだ。

 何よりエルフの郷の世界の王はその木に芽生えた強烈な強い自我が成るもので、そんな最初のエルフの郷の世界の王が『他』を求めた結果生まれたのがここのエルフの始まりらしい。


 つまりエルフの郷のエルフはエルフという人間というよりドライアドなどの魔物にその性質が似ているそうだ。

 そう聞けば人界のエルフ達が木属性を使えないことにも説明がつく。彼等確かに『エルフ』という種族として個が完成しているのに対して、エルフの郷のエルフはその性質はドライアドに近い。だから隣人である植物への干渉が可能なのだろう。


 話が逸れたが、この話を聞いたおかげで視野が拡がった。

 この俺の体も、魔王の体も、レオポルドやストゥムの体も、帝達の体も、クソ野郎の体も、つまりはエルフの郷のエルフの価値観で言えば良き隣人というわけだ。

 その体の持ち主の意思が例え良き隣人ではなく敵対と言えるほど相容れないものだったとしても、その肉体事態は己の肉体にとっては良き隣人、なのかもしれない。そういう解釈が出来そうだ。そう考えると、他にも様々な魔術を創れそうである。




 他にも色々話したいことや学びたいことは沢山有った。有ったが、どうやら時間が来たらしい。魔王が俺達の前に恐らく転移で現れた。



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