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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第八章:世界の王
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『世界の内容』


 顔は見えないが、ガレリアからは絶望という雰囲気が見て取れた。何がそれほどまでに嫌なのか知る所では無いが、目の前に奔放に人界へ訪れる世界の王が居るのは紛れもない事実だった。



 「何をそんなに絶望してるんだ?目の前に好き放題世界を行き来してる世界の王が居るだろ」


 「……世界の王と一言で言っても、自由に動くことを許されてるのは天魔の魔王様だけなんだよハザード君」


 「そうだよサース、俺は魔王だ。魔王の本懐は人類の脅威であること。停滞した世界に魔王の脅威という劇物を投入することで刺激を与えて文明の繁栄や進化を促すのが仕事だ」


 「じゃあ今の世は停滞してるんじゃないのか?」


 「確かに停滞してるけど、今は俺の出る幕じゃない。俺の役割を別の奴が掻っ攫って行ったからね」


 「……ラズマリアか」


 「正解。あの愚妹が人界を己の承認欲求を満たすための玩具箱にしようとしてる。というかその最終段階に在る。だから俺はむしろ、その脅威に協力してアイツを殺す立場なんだよ。


 だから、」



 「エルフの郷の王も手伝って良いんだぜ?」そう漏らした魔王の言葉にガレリアは顔を勢い良く上げた。



 「ラズマリアは既に天界をその癇癪で破壊しかけた。その結果俺や母上のことさえも知らない天族が居たことが在るほどに天界のあらゆる記録が壊された。


 今回このエルフの郷に来たのも愚妹の影が見えたから厚顔の憂い断つために処理しに来ただけのこと。

 神子が帰ってたのは驚きだったけど、だからと言ってその神子を縛るつもりは俺には無いよ」



 ガレリアは放心したあと泣きながら「ありがとうございます」とだけ述べてしばらく泣き続けた。


 ミコという言葉の意味も2人の会話の意味も途中からわからなかったが、恐らくまだ魔王が俺に伏せてる『世界の内容』なのだろう。

 知りたいという感情と魔王が話さないなら聞かないという理性で葛藤が生まれるが、まぁ今は、目的を達成した余韻に浸っていようか。



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