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外の外は中
扉を潜るとエルフの男が椅子に座って腕を組んで眠っていた。
静かに鼻から水を入れて肺を水で満たしてから首を圧迫して完全に落とし、静かに殺す。
ここはもう敵地だ。情け容赦しない。
そこから更に道なりに進んで行くと外に出た。
不思議なことに外に出たのにまだ木の中らしく空は拝めなかったが、何故かとても明るかった。
頭上には木の枝のような物が見える。だがその規模がおかしい。明らかに大木と呼べる木の幹よりも太い枝が幾重にも伸びていて、その枝に付く葉や枝の周りは光の玉で光輝いていた。
「出て来ちゃったか……」
声をした方向を見れば、そこにはガレリアが居た。
俺や俺を囲むように弓を構えたエルフ達が矢をつがえた状態で待機している。そしてガレリアの隣には背中が曲がって杖をついてる女のエルフがこちらを睨んでいた。




