「じゃあ次は俺のことを話そうか」
レオポルドとストゥムの2人と個人的な深い話をする時に毎度世話になってる喫茶店の前に着いてから少ししてから2人は来た。
そのまま2人の案内で個室へと通され、各々紅茶と茶菓子を頼む。
今回は俺も注文した。
「サースが頼むなんて珍しいな」
「お金には余裕が出来たからな、月に金貨1枚までの息抜きなら良いかと思って」
「……サース、ここの商品を全て頼めば金貨4枚ほどだがここで数時間話す程度であれば金貨1枚も掛からないぞ」
「そうなんだ。まぁ今更だ、まずは2人の話を聞かせてくれよ」
2人はなんとも言えない微妙な表情を浮かべたあと、ストゥム、レオポルドの順に何が有ったかを語ってくれた。
2人の話を要約すると、張り合いが無かったとか誰と誰が付き合ったとかそういう日常会話の延長で、例えばレオポルドが魔法の腕が上がったとかストゥムが身体強化有りとはいえ獣人族と殴り合いで渡り合ったとか、そういう成長的な話は無かった。
良くも悪くも『学生』ってものを楽しんだんだろうなってことが2人の語り口調から感じ取れた。
「随分楽しい学生生活を過ごしたんだな」
「君に言われると皮肉にしか聞こえないんだが?」
「ハハッ」
「笑って誤魔化すな。やはり温いとか甘いとかそんなことを思ったんじゃないか?」
「さぁ、どうだろうな?」
「サース!」
「悪い悪い。まぁ、俺を基準に考えればそりゃ思うところは有るさ。でも俺には俺の、お前等にはお前等の立場が有る。それを思えば俺の価値観だけで話すのは悪いなって思っただけだよ」
「…………本当に何が有ったんだ?別人過ぎるぞ?」
「じゃあ次は俺のことを話そうか」
そこから俺は、この9ヶ月間のことを2人に話した。




