「わかった。じゃあ放課後。またな」
「よぉ、サース……。もっと強くなった……みたいだな」
「また無理や無茶をしていたのかい?」
「久し振り、レオポルドにストゥム。言うほど無理や無茶をしてるつもりはないぞ」
普通に返しただけなのに、何故か2人は目を見開いて驚いたカオした。
しかもそれは、こちらの様子を窺っていた他のクラスメイト達も同様で、皆一様に驚いたカオをしていた。
「どうしたんだ?何にそんな驚いてるんだ?」
普通に聞き返したら、今度はレオポルドでストゥムの2人が構えて1歩下がった。
いよいよ反応がおかしい。
明らかに俺の反応を見て驚いて1歩退いたのだから原因は俺に有るんだろうが、何故そんな身構えるんだ?
「お前……、本当にサースか?」
「流石にそれは失礼じゃないかストゥム?」
「お前がサースなら、お前に何が逢った?少なくとも僕達の知るサースはそんな穏やかな笑顔を絶対にしない」
笑顔。そう言われて自分の頬を引っ張ったり口角を指で引っ張ったりしてみたが、自分的には変わった気はしない。
「そんな変わったか?」
「あぁ、こうやって別人と疑って身構えるほど不気味なぐらい変わったな」
心当たりは、まぁ、無い訳じゃない。
無い訳じゃないが、まぁ、彼等にはあんまり関係の無い話でもあると思うから聞かれない限り話す必要は無いだろう。
「まぁ、俺にも心の余裕が出来たとでも思っといてくれ」
「サース、今日の放課後時間は有るか?」
「時間を作れない訳じゃないけど、まぁ最後の仕上げはしたいからあまり時間は取れないな」
「俺達が聞いたことに答えられる範囲で答えてくれたらそれで良い。
じゃあ放課後、あの喫茶店で落ち合おう」
「わかった。じゃあ放課後。またな」
最後の最後まで珍獣を見るような目で見られながら、一先ず俺は学園を脱け出し、まずは魔女の瞳へ足を運んだ。




