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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第七章:魔人創造
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アンガント


 祝・1周年です!!

 それと前ページのルシファーを指す言葉を2ヵ所『傲慢』に変更しました。




 「さて、これをどうするかだね」



 魔人を見下ろしながら言う。

 前ルシファーの人格の入った魔人の魔力量は魔界に住む魔族の平均的な魔力量ぐらいに見えた。体付きも戦わない魔人程度で近接戦闘は出来そうにない。

 まだ戦り合ってないから詳しくはわからないが、恐らく戦わない一般的な魔族と変わらなそうだった。少なくともルシファーとして戦っていた時のような戦り方は2度と出来そうにない。



 「まぁ、名前は必要だろ」


 「それもそうなんだけど、何処に住まわそうかなってね」


 「あー、めんどくさそうだな」



 ルシファーだった時のことを思えば絶対に問題を起こすのは目に見えていた。恐らく反省もしないだろうし、最終的には死刑か魔物に食われて死ぬかするだろう。


 かと言って魔王の手許に置いておく気は無いが死なれるのも気持ち的にめんどくさい……みたいな感じか?



 「ならスケルトンに渡すかこの城で下働きとして働かせたらどうだ?本人が拒むのならある程度の領域まで育てたあと放り出すとかでも良いんじゃないか」


 「やっぱりそれが1番丸いかな。じゃあ名前をどうしようか」


 「名前、ねぇ……」



 この元ルシファーだった男の名前ね。そういえば名付けとかしたこと無かったな。


 ルシファー、傲慢、魔人……。



 「なぁ魔王、これは聞いても良いかわからないんだが、そもそもコイツ等ってなんなんだ?」


 「コイツ等って言うのはルシファーとかサタンとかベルゼブブとかのことかい?」


 「そうソイツ等。ルシファーには傲慢のルシファーと自己紹介された。サタンには憤怒のサタンと。レヴィアタンには嫉妬と自己紹介され、マモンには強欲と自己紹介された。


 この傲慢とか憤怒とかって、これまではただの自称か二つ名かと思ってたんだけど、ベルゼブブの時も今も傲慢とか暴食とか言ってたよな。


 こういう奴等が全員で7人居るわけだけど、それぞれに意味って有るのか?」


 「んー、それは答えられないかな」


 「じゃあ答えなくても良いんだが、だったらこれだけは答えてくれ。

 ルシファーは傲慢を担当していたってことで良いんだよな?」


 「そうだね」


 「だったら傲慢の別の呼び方で名前に使えそうな言葉が有ったらそれを名前にすれば良いんじゃないか?その方が簡単だろ」


 「……なるほど。それは確かに良いね」



 はぐらかされつつそう提案してやれば、魔王は腕を組んで顎を撫で始めた。

 これは魔王が何かを考える時の癖だ。


 そうして少し置いたあと、組んでいた腕を解いた。



 「ありがとうサース。おかげでどんな名前にするか決めたよ」


 「役に立てたなら何より」


 「さて、魔人君、君の新しい名前が決定したよ」


 「もう何でも良いから早く解放してくれ……」



 魔王と顔を見合わせる。その後互いに肩を竦めて、この場をさっさと終わらせることにした。



 「君は今日からアンガントと名乗るように。間違ってもルシファーって名乗っちゃ駄目だからね。


 アンガント、意味は傲慢の否定形を縮めただけだけど、傲慢過ぎるが故のペナルティーでそうなったんだ、これ以上傲慢に呑まれないようにって願いを込めてこの名前を下賜するよ。


 流石にヒュメリティーなんてのは魔人で魔界に住むにはそれこそ謙虚過ぎるしある意味傲慢過ぎるし、何よりこの世界に似合わないからね。


 そういう訳だ、これからはアンガントとしてこの世界の住人として過ごすように」



 そう言って指を鳴らすとルシファー改めアンガントはその場から姿を消した。恐らくこの城の何処かか、もしくは城下町の何処かに飛ばされたんだろう。


 さて、と。


 気持ちを切り換える為に息を吐いた直後、案の定横から魔法が飛んで来たため、それを即座に右手に纏った魔力で弾いて飛ばし、生成した水の腕で魔法を撃って来た相手である魔王へ向け拳を突き出した。


 どうやらかなり鬱憤が溜まったらしい友人の発散に、彼の気が済むまで付き合わされるらしい。


 ホント傲慢な魔王様だ。



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