「良いねソレ。採用」
「そういうこと」
俺の言いたいことに察しがついたらしい魔王が笑顔を浮かべた。
それに合わせて俺も笑顔を作る。
そして鎖に捕まるルシファーへと視線を向ける。
「じゃあどうする。やったことは無いけどやれないことはないと思うよ」
「話から察するに、結局重要なのはルシファーの性質なんだろ。ならその性質を引っ剥がしてやれば良いんじゃないか」
「説明が難しいんだけど、パンを作る時の小麦粉と水って言えば伝わる?」
「あー、それでもやってやれないことはないんだな」
「だね。さっきの例えで言えば、人格はサンドイッチの具材だから」
「あぁなるほど、具材を別のパンに移し替えて、それから元のパンを作り直せば良いもんな」
「あ、アニキに人間、お前達何そんな悍しい話を……」
魔王と楽しくこの後のことを話していたらルシファーが声を震わせ話に入ってきた。
まぁ言いたいことはわかる。ルシファーの立場からすれば恐いだろうな。
だからといって消される以外の選択肢の話をしてるんだから邪魔してくるなとは思う。
「無難に魔人にでもしてみたらどうだ?散々人間って見下してるし、ルシファーにとっては屈辱的だろうしさ」
「良いねソレ。採用」




