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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第七章:魔人創造
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指輪Ⅳ


 魔王の言葉の真偽はわからないが、この真偽は試せばわかることだったため実際に試してみることにした。


 右手の平を上へと向け、その上に水の球を作り出すイメージで魔王が出していた闇の球をイメージする。

 すると指輪を通して魔力が放出し、イメージ通り目的通り手の平の上に紫色の縁をした真っ黒の球が出来上がった。


 それを手を握る動作で消して、魔王の方を見る。



 「殴って良いか。具体的には顔を」


 「嫌だよ。サー君の素殴り程度効かないけど、そもそも殴られるという行為を戦いでもないのに向けられたくない」


 「腹が立つんだ。殴らせてくれよ」


 「照れ隠しで殴ろうとしないの。それより、使えたでしょ」


 「…………」



 魔王の背中に闇のナイフを作り出し、それを魔王の首目掛けて射出した。

 しかし当たると同時に闇のナイフは霧散して、意味を為さなかった。



 「俺に闇属性は効かないよ。というか、どうやら証の指輪で使えるようになる属性は対の相手には効かなそうだよ。


 ほら」



 魔王が俺が産み出した闇のナイフと同じ水のナイフを産み出し、俺の首目掛けて振り払う。


 だが首が落ちることはなく、闇のナイフが魔王に当たると同時に霧散したように、魔王の水のナイフも俺に触れると同時に霧散した。



 「つまり俺達は互いに、俺は闇属性で」


 「俺は水属性で」


 「……結局、手札は増えたがお前相手には意味が無さそうだな」


 「どうだろうね。あくまで証の指輪での水属性が効かないのであって、もしかしたら水の指輪で産み出した水属性魔法なら当たるかもしれない」



 言葉と共に、水の指輪と思わしき指輪をあ、証の指輪の上に重ねるように填める。そしてその水の指輪が光ったかと思うと水のナイフが生まれ、再び俺の首を切るように振るわれた。


 その結果首から血を噴き出しベッドが紅く染まる……なんてことには為らず、その水のナイフも先程の水のナイフ同様に霧散した。



 「へぇ、そもそも俺からサースへの水属性での攻撃が効かなくなったのか。これは修行として考えるとマイナスな結果かな?」


 「確かに魔王からの水属性攻撃が意味を為さないというのは、対クソ野郎戦を思うと悪い結果かもな。

 でも俺は、念願の水以外の属性を手に入れた。この収穫は非常に大きい。

 何より戦略の幅が拡がったのが良いな。これで考えていたことが試せる」


 「考えてたことって?」



 魔王が不思議そうなカオで問い掛けて来る。

 正直ここで話そうと後で話そうと、どうせ練習中に覗かれてバレるだろうことはわかりきってはいた。だが、さっきからの魔王からのからかいを思うと少しでも反撃しておきたい気持ちが強い。


 だからこう言ってやった。



 「秘密だ」



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