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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第二章:違和感
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作戦会……議?


 「まず村長から聞いたのは被害状況についてだ。どうやら農作物を中心に家畜も数頭やられてるみたいだ」


 「農作物を食われた家、食われた家畜の種類と数、人的被害は?」


 「1つずつ答えていこう。

 農作物は僕達が入ってきた村の入口を南とした時の東寄りに被害が起きている。


 次に家畜だ。これは基本的には北の方で村の全員共同で管理しているらしく、食われたのは年老いた牛と馬が食われた。両方普段は北の厩舎に入れてるらしいが、牛は農作業の為、馬はストレス発散のための散歩中に食われた。これも東寄りだ。


 最後に人的被害。幸いにも死人は出ていない。でも何人かは重傷だそうだ。これについてはハザード君の方が詳しいだろう。



 続きを話す。

 いずれも東寄りで被害報告が挙がっているため、スネークコング達はこの村の東側の方に生息しているみたいだ。

 そして奴等は子連れらしく、しかも親と思われる大人の個体2頭の他に大きさは様々だが3頭も目撃されている。つまり最低でも5頭は狩らないとならない。


 ここまでは良いか?」


 「あぁ問題無い」


 「この情報を基に、俺達は東側の探索及び見つけ次第駆除する予定だ。これについて何かハザード君は意見有るかい?」


 「そうだな……」



 チャーラルの説明を聞き、ありとあらゆる可能性と効率的な探索の仕方を考える。

 この1ヶ月でわかったが、チャーラルが断言するような言い方をする時は人命が関わらない限りその決定は絶対に覆らない。覆しても良いが、途端にチャーラルの機嫌が悪くなる。

 今後についてはどうでも良いが、今はパーティーだ同じ班員だ。だから機嫌が悪くなられるのはめんどくさい。


 そうして考え付いた案を口にする。



 「取り敢えずチャーラルセンパイとフォルティス・サクリフィス。2人は落下軽減の魔法とか使えるか?」


 「一応有る」


 「僕も有るよ」


 「大空高くへと飛ぶための方法は?」


 「一応身体強化をすればそこそこ出来る」


 「僕は火属性を使って炎熱を利用して飛べるよ」


 「そうか……」



 シレッとクソ野郎がとんでもないことを口にしやがったが今は関係ないためその事については黙殺する。


 2人共ある程度は翔べるし、それによる落下ダメージを軽減出来る。

 となると、だ。



 「2人の内どちらかが、あるいは両方がまず空に跳んで空中で滞空する。滞空しながら東側の森を観察してスネークコング5頭以上が巣にしそうな場所に目星をつける。


 そして地上に帰ってきた2人には見たものを地図として起こしてもらって、その地図を目安に探索する…ってのはどうだ?」



 俺の作戦を聞いた2人は微妙な反応だ。そして残り2人も微妙なカオだ。


 なんでそんなカオをするのかわからないが、取り敢えず地図となる紙と書くものを取り出す。



 「そのカオはなんだよ」



 聞けば一様に返ってくるのは「いや……」という奥歯に何かが挟まったようなカオ。

 何が言いたいんだ?



 「その、な、サース・ハザード。地図ならもう有るし、何処に居そうかの目星もある程度ついてるのだ」



 イリコスが答えを言う。

 もう地図が有る?目星がついてる?どういうことだ?



 「その、ですね。この村は割とプラム学園生徒の為の依頼を出したり、新人冒険者の為の依頼を出したりしていて、ギルドとかなり仲が良いんですよ」



 エンラジーが続きを話す。

 そこまで言われてようやく何が言いたいのか理解した俺は、なんだか一気に疲れを感じ倦怠感が肩に乗し掛かった。


 要するに、本当に最終確認だけだったみたいだ。

 探索するのも既に当たりを付けてる周辺をってことだったんだろう。



 「そういう大切なことは最初の説明の内にしていてくれよ……」



 なんだか顔が熱くなるのを感じつつ、俺達は地図に在るスネークコングが気に入りそうな場所へ向かった。



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