「死んだらその時はその時だ」
「久し振りだねサース、元気にしてたかい」
「本当に久し振りだな。大望の彼女との時間はもう良いのかよ」
目が覚めたら廃城玉座の間、その玉座に座っていた魔王が目覚めると同時に軽口を言ってきた。だから寝転がりながら軽口で返してやれば、何やら機嫌良さそうなカオをして立ち上がり、立ち上がると同時に怒ったようなカオになった。
「ずっと休まずやってたでしょ。休めって言ったよね俺?なんで休まずやったの。流石に彼女が心配してサースの相手をするようにって叱られちゃったよ」
「関係が良好なようで良かったよ」
「誤魔化さない」
言葉と共に光属性の魔力の光が俺を包む。それだけで恐らく肉体に溜まっていたらしい疲労というか気怠さというものが無くなった。
気絶から目覚めたのも有りより万全となった体を起こし、俺は俺で立ち上がった。
「こうやって顔を合わせて話さない間に、背、伸びたね」
「そうか?まぁ、確かに目線の高さが近くはなってるな」
言葉の通り、元々魔王とは俺の頭1つ半ほどの差が有った。
それが今ではほとんど目線の高さが変わらず、なんなら少し俺の方が高いように見える。
「俺、背は187だよ?それより少し目線が高いって、190は有るんじゃないの」
「そんなに有ったんだな魔王の身長って。じゃあ、少なくとも20以上は伸びたのか」
「成長期ってヤツだね。やっぱり伸びる奴は驚くぐらい伸びるなー」
「……そう言われると、最近服を買い換えることが有ったな。特に肩周りが服が張り付いて邪魔だったんだよな」
「本当にサースは自分のことに頓着しなさ過ぎ。もう少し気にしようよ」
「戦闘に関係無いことは兎に角興味無いからな」
「早死にするよ?」
「死んだらその時はその時だ」
「君ねぇ……」




