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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第七章:魔人創造
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初心に還ろうⅤ


 剣、短剣、長剣、大剣。


 槍、短槍、長槍、大槍。


 斧、手斧、大斧、戦斧。


 盾、小盾、大盾。


 弓、短弓、長弓、大弓。


 手甲、脚甲、ボウガン。


 それぞれの武器から別の武器への切り換え、投擲物の回収及び避ける防ぐの防御への移行動作、防御から攻撃への移行動作。


 そしてこれ等を如何なる時でも十全以上に扱う為に四肢や視界を制限しての素振り。


 準備運動でこれ等を疲れを感じるまで永遠と続ける。

 疲れを感じ始めたら、今度は相手を想像してその相手と殺し合いをしているつもりで実際には視界に居ない相手と死合う。


 俺がまだあのクソ親共の許で毎日やっていたことを今の限界で呼吸もままならないほどに動けなくなるまで続ける。


 追い込んで、追い込んで。追い込んで、追い込んで、追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込み続ける。

 ひたすら肉体と精神を虐め抜き、負けてたまるかと心身共に鞭打ち己を追い込む。


 魔王に休めと鼓膜が厚くなりそうなほどしつこく言われたため魔王に休めと言われてからは休むようにしていたが、その魔王は今、恐らくイギライアとの逢瀬に一喜一憂していることだろう。

 その間に俺のことを覗いていないだろうし、ならば俺を監視する者は居ない。

 ならば、今こそかつてのやり方を行うことで昔の自分の精神を取り戻す。


 どのような理由があれ、クソ野郎を殺すとまで変質した俺の思想を1度やり直す必要が有る。でないとクソ野郎を殺した後に跡を引きそうだ。殺したところで後悔するなんてそんな筈は無いが、初心に還ろると思えばこのある種の儀式は俺にとってとても重要だ。


 ……あぁ、そういえばまた殺すという思考になっていたな。

 何故こうまで、まるで何かに思考誘導されてるかのように極端な思考をするようになっているのかわからないが、迷走している時ならば初心を思い出すというのは大事だと書物で読んだ。ならばクソ野郎とやり合うまでに俺がやらなければならないのは、俺の心身共に身辺の掃除なのかもしれない。


 準備運動の時の思考が暇な時にでもまた精神の深堀りをすることにしよう。そして思い出した『初心』というヤツはしっかり覚えておこう。そうすれば望む未来が手に入ることだろうから。



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