初心に還ろうⅢ
体を動かしながら自分の原点について思考する。
いよいよ俺の目的であり人生の命題でもあるフォルティス・サクリフィスを学生の間に殺すという目的、その学生の間にという期限が近付いている。
元々はそんな殺すだなんて極端なことは考えていなかった。
だが首都の学園に通うようになってからの奴の諸行は総帝になったからというのも有るのかもしれないが、村に居た頃よりも目に剰る。奴の行動1つ1つが目について、その全てが腹立たしい。
もちろんこれだけが理由ではない。理由ではないが、やはり俺にとって奴という存在は顔の周りを付かず離れずで不快な羽音を出しながら飛び回る小虫のように目障りというのが1番大きい。
それこそエンラジー達との1件やレオポルドとストゥム達との1件のように、付き纏われた程度でもここまで意識することは無かった。
彼等だけでなく、それこそ学園に入るまでの村から街へ通っていた頃に絡んで来たり粘着して来た素行の悪そうな冒険者達に対して当然苛立ち反撃に出たことも有ったが、ここまでの怒りを感じていたわけではない。
じゃあ何故フォルティス・サクリフィスに対してだけある種粘着固執して殺意を抱くまでに到ったのか。
……そういえばなんでだったんだろうな?




