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▼side Another act3:希い
まだ毎日投稿的にセーフな筈!
そうであってください!!
彼が目覚めると、そこは寮の自室ではなくギルドの自室だった。
彼の中で寝る直前に居た場所は確実に寮の自室で、間違ってもギルドの自室な筈が無く、しかも記憶では昼だった筈なのに今は間違いなく朝だった。
その事を自覚すると同時に全身の毛穴が開き汗が噴き出す。が、そのまま流れるように手を頭へと持って行きそうになるのを反対の手で手首を掴むことでなんとか抑えた。
「時間が無い……」
泣きそうな、消え入りそうな声を出しながら、彼は机へと向かい手紙を綴った。
そしてすぐに寮の部屋を飛び出し、とある部屋へと向かい、その部屋の扉の下の隙間へとその手紙を滑り込ませた。
そこで彼は安堵の溜め息を吐き、部屋へと戻った。
部屋へと戻ると同時に再び意識が落ちるのを自覚すると、落ちる直前に彼は願う。
どうかこの危機を察知してくれ。
そう希うことしか彼には許されなかった。




