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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第六章:選択
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▼side Another act1:ウィリアム・パリスの選択Ⅵ


 仲間が燃え悶えている間、他の狼型の魔物達は何もしなかった。ただ目の前で仲間が燃え尽きるのを尾を股の間に入れて怯えていた。


 しかしその仲間が息絶え火が消えたと同時に彼等はその仲間の死骸へと群がり、そしてその体を貪り始めた。

 近くに有る新鮮で瑞々しく肉付きの良い獲物ではなく、動かなくなった仲間だったものを。


 明らかな異常行動だったが興奮し相手の事しか見えていないウィリアムとモナークがこの事を把握することはなく、遂には互いへ向かって魔法を撃つほどの喧嘩へと発展していた。



 「そもそもキサマ、初めて見た時から臭かったのだ!性欲にまみれた獣の臭いがなァ!」


 「そういうアンタは初めて会った時から乳臭くて敵わなかったわ!今いくつよ!ガキは家で母親の乳でも吸ってなさいよね!」



 互いが互いに罵りの言葉を言い放つのと同時に魔法も撃ち出す。


 ウィリアムは風の、モナークは火の魔法を。


 その結果彼等の周囲を囲んでいた魔物達へと被弾し、ウィリアムの魔法を受けた魔物は皮と骨だけとしか言い様の無い肉を切り裂かれ燃やされ、次々に息絶える。

 生き残った個体は魔法を掻い潜り仲間だったものを咥えてウィリアム達から離れ、仲間だったものを遠くへ置いたあと再び仲間だったものの回収に戻ってくる。


 そんな自然界では絶対にあり得ないであろうカオスがガラギス達が戻って来るまで続いた。



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