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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第六章:選択
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ガラギスの推測


 怒りのあまりすぐに手が出てしまったが、普通に考えればせめて胸倉を掴む程度で良かった。


 だからと言って謝る気は無いが。



 「エホッ、エホッ……。父上の言ってた意味がわかった……。だけどこれは俺の落ち度だ。不快なことを言おうとして悪かったなサース」



  咳き込みながら謝罪してきたガラギスに俺は「おう」とだけ返した。

 それしか言えなかったとも言うが。


 当たり前だが微妙な雰囲気が俺達の間に漂う。


 それを払拭するため、1回咳払いを挟んで話の流れを元に戻す。



 「それで、結局お前は何を言いたいんだガラギス?」


 「あぁ、いや、その、だな……」


 「さっきのことが原因なら気にしなくて良い。さっきのは俺が短気過ぎただけだ」


 「そういうことなら……。


 結論だけ言えば、総帝様がサースや俺達を使って魔族の処理をしようとしてるんじゃないかって考えたんだ」


 「魔族の処理……。そう結論付けるまでの根拠は?」


 「まず魔族達の強さ。彼等は弱かった。俺達でも処理出来るぐらいには。

 そうして例えランクが低くてもキラー種、延いては魔族を俺達人間はいつでも殺せるんだと市民に印象付けるための政策のように見えるんだよ。

 というか、そうじゃないと俺達はただ虐殺してるだけになる。だから総帝様がどれだけ高潔な方なのかはわからないけど、しっかりと人類の生存圏の拡張を狙ってるんじゃないかって考えたんだ。


 ……正直俺もそうだけど、そもそも魔族と言われて、魔族は悪い奴等のことだって認識が有るけど、じゃあ具体的にどう悪い奴等なのかってことをたぶん大半の人達が知らない。もしかしたら帝様達も。


 魔物はわかるんだよ。奴等は俺達人類の生存圏を荒らして蹂躙して奪って行くから根絶やしにしないとならない。そうしないと俺達人類が生き残れないから。


 そんな魔物の特徴を持ってる魔族は俺達人類を滅ぼそうとしているって主張も、まぁわからなくはないんだ。実際見た目の違いなんて無いんだから、危険が及ぶ前に処理しようとって気持ちはわかる。

 でも魔族って俺達と同じ言葉を話せるんだろ確か。何かの文献で魔族と心を通わせた人の話が書かれた本を読んだ記憶が有る。


 ってなると、ただ魔物と同じ見た目をした魔族だからと魔族殺すのって、ただ俺達の自己満足による殺戮や蹂躙と変わらないだろ。


 そこまで考えて、じゃあもし自分が為政者ならどうするかなって考えたんだ。

 それで出たのが最初に言った結論だ。

 滅多に現れないキラー種に魔族を見立てて、キラー種でも魔族でも俺達人類は敗けない。簡単に勝てる。そう鼓舞して人心を魔族と魔物を滅ぼす方へと誘導する。そうすることが今回のこの依頼の目的なんじゃないかって考えたんだ」



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