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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第六章:選択
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班での模擬戦


 「さぁ、来い」



 翌日の放課後。俺達は学園の闘技場を使う申請をして集まった。


 それぞれがそれぞれの得物を持って集まり、俺と順番に戦うことになった。


 俺と戦うというのは俺が班の中で1番強いということも有るが、エギル・ラークから強く俺と戦いたいと言い出し、イリア・グリーラがエギル・ラークが強い強いと言うなら自分もと言い、2人が言うなら自分もとモナーク・グリアが言い出し、それなら全員でとガラギスが言い出したためこうなった。



 「いつでも良いぞ」



 言った直後、ガラギスが突っ込んで来る。

 辿り着くと同時、腕が無い左側から剣を横凪ぎに奮って来た。


 俺は無い左腕に嵌めるように装備出来る小盾を装備し、その小盾を迫る剣閃に沿わせ受け流し、ガラギスの懐へと入り奮われた彼の剣を持つ手首を掴んでその場へと投げ落とそうとした。


 しかし読まれていたらしく、手首を掴む直前にガラギスの体が俺から離れて行く。

 動き的に最初から横凪ぎが失敗したなら引くと決めていたんだろう。深追いはせず、棒立ちの下級生達とウィリアム・パリスを指差し、伸ばしたその指で『来い』と指を数度曲げた。


 そうすれば戸惑いはするがエギル・ラーク、イリア・グリーラの順番で仕掛けて来た。


 まずエギル・ラークがガラギスのように俺の左腕側から斬り掛かって来る。そして追撃要員であろうイリア・グリーラが右側から斬り掛かって来る。そして離れた筈のガラギスも気配的に背中側へと回って来ていて、その後ろから斬り掛かって来た。


 それぞれに俺に刃が届くまでに数秒の猶予が有る。だから1つ1つに対処していく。


 まず1番速いイリア・グリーラの攻撃から対処する。

 後攻めの筈なのに先攻めである筈のエギル・ラークより速いイリア・グリーラの剣を指で挟む形で防ぎ、先程ガラギスにやろうとしたようにイリア・グリーラの懐へと入って背中へと彼女を乗せ、俺の居た場所へ投げる。


 投げたことで標的が俺からイリア・グリーラへと変わったことで、次に剣が届きそうだったガラギスの剣が止まる。


 そして最後に攻撃が届く筈だったエギル・ラークの剣は止まらず、投げられ地に背中から落ちたイリア・グリーラへと振り下ろされた。


 イリア・グリーラは投げられた衝撃故か、構えるのが間に合いそうに無い。それを察したのかそれとも咄嗟の判断か、振り下ろされた剣に割り込むようにガラギスの剣がエギル・ラークの剣を防いだ。


 それを確認してからエギル・ラークの尻を後ろから蹴って、イリア・グリーラに重なるように倒す。

 重なる前に剣を退いたガラギスの背後へと回り、こちらも尻を蹴ってエギル・ラークに重なるように倒した。


 そこで1度離れて未だに動こうとしない後衛組へと視線を向ける。

 怯んだのか、それともまさかとは思うが恐怖を抱いたのか、2人は肩を1回大きく震わせ、少し後退った。


 敢えて前衛組へと背中を見せ、ゆっくりと歩いて後衛組へと近付く。


 前衛組と後衛組の間ぐらいまで近付いた頃、怯えた様子で魔力が一切練られていない籠められた魔力も素手で触れても痛みを感じなそうな火の玉がモナーク・グリアから放たれた。



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