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ウィリアム・パリスの本格的な訓練Ⅱ
ウィリアム・パリスの訓練の片手間でガラギス・マラベスと模擬戦をする。
ガラギス・マラベスと戦うことで、彼が何に躓き伸び悩んでいるのかが見えてきた。
ガラギス・マラベスの戦い方は端的に言えば攻め時と守り時の認識が逆だった。
攻めた方が良い時に攻めず、守らないとならない時には無謀な特攻を仕掛けてくる。まるで大人が子供に武器の使い方を教えてるかのように、ガラギス・マラベスが上手く戦えたと思う時は、当然だが限ってその攻守の判断がたまたま噛み合った時ぐらい攻守が反対だった。
剣術や盾術などの腕についてはギルドランクCほどの腕前と言えた。
「マラベス、お前の何がダメかがわかった」
だから攻め時に守るような動きをしたら、逆に守り時に攻めるような動きをしたら、その都度指摘して、守ろうとすれば攻めるように、攻めようとした時は守るようにと説明して、あとは永遠と模擬戦を繰り返した。




