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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第五章:強化期間・後編
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渓谷迷路Ⅴ


 普通に冒険者として扱うならこのまま捨てて行くか殺してしまうかだ。

 命が懸かってる状況で協力しないと生き残れない。そんな時に誰かを殺そうとするのは明らかな自殺行為であり、例え1000人もの人間を殺した殺人鬼が隣に居ようと自分達を殺そうとする冒険者の方を先に殺す。これが鉄則だ。だから冒険者という立場だけで考えればここで先代総帝を殺すのが無難だ。


 帝という立場で考える。その場合、地位や戦力という意味では失くすのは人類的にもこの状況に於いても惜しい。だが未遂とはいえ感情に任せて人を殺そうとしたのは事実だ。しかも先代とはいえ総帝だ。人類最強と元とはいえ人類最強と呼ばれるほどの存在が感情のまま人を殺そうとするのは問題だ。だから然るべき場所へと突き出しその地位を剥奪というのが無難だ。


 これ等を踏まえて今の状況と今後の人類のことも考慮して考える。

 1番は勝手に先代総帝が魔法を乱射して魔力を失くした間抜けという烙印を叩き付けること。この場での落とし所としては恐らくこれが丸く治まる。ただこのやり方は、先代総帝にしても周りの人間達に対しても今後を思うと絶対にやってはいけないことだ。


 と言うのも、まだ学園に入る前、ギルドに通い始めた頃に、最寄りのギルドにたまたま訪れていた当時の名前も知らないAランク冒険者がやるせなさを垂れ流しながら、ちょうど今の俺達や先代総帝と似たような状況になった元仲間のことについて語っていた。

 そのAランク冒険者はその時、ちょうど俺の考えたようなことを落とし所としその馬鹿を1度は許したそうだ。

 だがその後も何度かその馬鹿は極限状態になると錯乱し、仲間の1人に重傷を負わせて殺しかけたらしい。その時にその馬鹿はこう言ったそうだ。「あの時も許してくれたんだ、今回も俺を殺しはしないだろ?」。そう目を血走らせながら言ったそうだ。

 極限状態だったからこそその馬鹿の中で『錯乱していれば仲間を殺しかけても許される』という考えが生まれたんじゃないかとAランク冒険者は語っていた。


 今の先代総帝も、戦力だからと許せば、その後精神的に追い込まれれば仲間や護るべき市民って奴等にむしろ牙を剥くことになるかもしれない。だからしっかりと落とし前はつけさせないとならない。


 その結果俺を恨んだとしても、そしてまた俺を殺しに来たとしても、その時はちゃんと凶悪犯罪者として処理すれば良い。この危険な人類の状況で殺人を故意に起こすんだ、逆に殺されても文句は言えない。


 じゃあ、その落とし前は何にすれば1番罰になるだろうか。

 ここまで黙って見ていた水帝の方を見る。



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