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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第五章:強化期間・後編
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渓谷迷路Ⅳ


 魔法が俺に当たり、爆発し、特に俺の顔近くが煙たくなる。

 爆発したってことは火属性の魔法だ。


 先代総帝は火と土を得意とする帝だ。

 そして先代総帝曰く、この2つの属性を合わせることで彼だけが使用可能な魔法『熔岩魔法』を使い、彼はその総帝という地位に就いたらしい。


 熔岩魔法。熔岩。魔王から借りた書物の中に有った、火山から噴き出すこの大地の力の塊のことをそう呼ぶらしい。


 熔岩というのは、その熱でありとあらゆる物を溶かす液体のことを言うらしい。それが俺に放たれたわけだ。


 だが、



 「癇癪を起こしたガキかよこんな状況で。感情のままに俺を殺そうとするなよ馬鹿が」



 身体強化は魔力で肉体を強化する魔法だ。

 つまり俺は今、規模は1000にも満たないものだが、確かに魔力の塊を体に纏っている状態だ。

 そして魔力由来であれば、総魔力量が多い方が勝つ。それは破壊属性だって例外ではない。だから先代総帝の熔岩魔法も俺には効かなかった。


 これまで、先代総帝は、その熔岩魔法で倒せなかった相手が居なかったのだろう。

 ……もしかしたらクソ野郎が倒せなかった1人かもしれないが、少なくとも片手の指の数未満だった可能性が高い。


 だからだろう。動揺したように、より感情のままに魔法を俺へと放ってきた。


 場所が場所だ。そして近くには水帝も居る。ここでこの環境に悪影響が有れば本当に詰む。そう思ったから、俺は先代総帝から放たれる熔岩魔法の全てをその身で受け止めた。


 体感10分。感情のままに暴れた先代総帝は熔岩魔法を使えるだけの魔力がもう無いのか、顔を白くしながらその場に跪いた。


 先代とはいえ帝。しかもその帝達の長とも言える総帝がたった10分で戦闘不能になった。この事に失望を覚えつつ、尚も俺を殺したそうな目で睨んでくる先代総帝をどうするか、改めて考えることにした。



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