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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第五章:強化期間・後編
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乱戦Ⅲ


 俺を覆い隠すように俺を中心とした半径1メートルほどの水球を作る。

 そしてそれに回復された魔力の内半分を籠め続け、倍の大きさになったところで呼吸出来るように俺の周囲半径1メートルの水だけを排除する。


 あとはこの状態で魔物を処理しつつ、水球へと魔力を籠め続けこの空間を俺の水球で満たす。

 満たされれば水球内へと入った魔物に近付き処理するか、むしろその魔物に圧力を掛けて水圧で押し潰して処理をする。


 状況打開の為に俺が思い付いた作戦はこんな力技だった。


 発想元は魔王と水帝だ。

 最初にこんな力技をしてきたのは魔王だった。出会って半月が経った頃に「こんな戦い方も有るよ」とかほざいて俺を作り出した水で覆い、俺を殺すかのように弄んで来たことが有った。

 あの時は大量の魔力で攻めて来たとしか思わなかったが、ここ半月ほど水帝に着いて回ってる時に、彼女が水球で似たことをしていたのだ。

 その時の相手は人間で、殺さないように窒息による気絶目的でまずは顔面を覆い、それでも抵抗すれば肉体を覆い、それでもなお足掻く者には圧力を掛けて身動きを取らせないようにしていた。


 やってることの本質が魔王と同じだったのだ。この事に気付いた俺は、水帝と別れた後の夜に廃城の周りに居るゴブリンで俺にも出来ないか試してみた。


 結果は時間は掛かるが成功した。

 時間が掛かったのは、やはり俺の総魔力量の少なさ故の出力不足故だった。


 だが出来たわけだ。

 そしてゴブリンとは比較にならないほどの広さだが、時間さえ掛ければ俺にも魔王や水帝のやったような力技が出来るわけだ。


 ダンジョン側が折れるか俺達が力尽きるか、そんな博打的なことに命運を預ける気は毛頭無い。

 だから賭けに出たわけだ。



 水球は1秒毎にその大きさを増していき、1分も経つ頃には俺を中心に半径16メートルほどの大きさになっていた。

 水球を発生させてから2分後には22メートルになり、3分後には27メートルになり、10分後にはこの空間の半分以上が俺の水球で満たされた。

 もう10分後にはこの空間のほとんどが俺の水球に沈み、それから5分もすれば魔物達が現れる横穴1つ1つの入って2メートルほどの場所まで水で満たした。


 その間押し寄せて来る魔物は次々に窒息死するか俺の水の槍により貫かれて魔石やそれぞれの素材へと姿を換えた。

 途中スライムや水棲の魔物も出たが、その悉くを刺し穿つか水圧による圧殺で処理した。


 そうして水球を発生させてから約40分。遂に魔物の出現速度が落ちて来た。


 ようやく終わりが見えてきたわけだ。

 水球を発生させてから約1時間。完全に魔物の出現することはほぼ無くなり、1時間10分後、水球を消しても魔物が現れることは無くなった。横穴の1つの突き当たりにはダンジョンでよく見る魔法陣が出現しており、それの確認によって今回も生き残れたことを強く実感した。




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