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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第一章:彼との馴れ初め
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良かった。あぁ良かった。


 レオポルドとの模擬戦のあと、怪我は俺の方が酷かったが意識が無いレオポルドの方が重傷ということで彼を医療室に運ぶことになった。それを俺が自分から請け負った。俺自身怪我を治したいというのと教師が離れると他の生徒が手持ち無沙汰になって授業が滞るとかなんとか言って請け負った。


 怪我を治したいのも本当だし、授業が滞る云々は後付けだが、何よりこの後の2回目の模擬戦に間に合わせたかった。だから脱け出す口実にレオポルドを使わせてもらった。



 レオポルドを医療室へ運び、医療教諭に「君も治療をしないと」と言われたのをキッパリ断り、更衣室へと移動し、そこで俺専用に調節したポーションを飲む。


 俺専用のポーションは傷事態もある程度治すが、それ以上に身体強化をすればするほど疲労や傷の治りも促進されてたった数分で万全の状態に回復出来る。

 移動するだけでこの程度の怪我や疲労なら回復しきる。



 身体強化状態で歩いて第一闘技場へと戻る。

 戻ればちょうどクソ野郎とストゥムが戦っていた。

 ストゥムは魔法が得意なエルフにしては珍しく格闘や武器戦闘も出来るらしく、今は短剣を両手に持って短剣や蹴りをメインに攻撃して防御は全部流すか避けるかしている。


 対してクソ野郎はなんと言うか、可もなく不可もなくといった剣を振っていた。

 剣速はまぁまぁ。脚捌きもまぁまぁ。攻撃はまぁ及第点。防御はダメダメ。そんな印象の剣を振っていた。なんと言うか、あくまで人との模擬戦を想定した剣だ。それも恐らく身体強化前提の剣術だった。


 どう考えても総帝という地位に相応しくない実力だ。明らかに魔力によるゴリ押しをしている証明だった。



 『……ねぇサース。一応改めて聞くんだけど、本当に彼が今の総帝なのかい?』



 魔王ですら疑うレベル。もはや魔王の中でのクソ野郎への評価が地の底に着いてるような声色だった。



 『本人曰く総帝らしいぞ。本人曰く、破壊属性も使えるそうだ』


 『…………どうやら素の実力は、妹と同じレベルらしいね。今の彼女の実力がどれ程かはわからないけど、それにしても……』



 結果を言おう。当然と言うべきか、ストゥムが勝った。

 ストゥムはクソ野郎を訝しむような目で見ていたが、当の本人はまるで「まぁ手加減してるから負けて当然だよね」みたいな顔をしていた。


 良かった。あぁ良かった。これでお前を本気でボコれる。



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