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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第四章:強化期間・前編
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第5層:ボス戦・VS始原の巨人Ⅱ


 迫る槍の刀身も、巨人基準と俺達基準では大きさが当然だが異なる。つまり例え刃だったとしてもその刃は俺達にとっての剣の腹と遜色無い大きさだった。


 純粋に魔力の壁を地面と比較して斜めに生成し、その表面を滑りやすい性質へと換えた水球で覆い、その下に身を隠す。


 しかし水帝はともかく、エンラジーが間に合いそうにないことを一瞬確認の為に振り返った時に確認したため、急遽その壁を横にも縦にも延長、地面とは垂直になるように壁を生成し直し、地面と接する部分に変質させた水球を移動させた。


 準備が整うとほぼ同時に巨人槍が俺の作った壁に衝突する。


 滑りやすくなったこの壁は、本を立て掛ける衝立のような形だ。故にこのまま円形の壁際を沿うようにして、まずは水帝の近くへと迫る。



 「ちょっ、危なぁああ!!」



 俺と壁にぶつかるようにして水帝と合流を果たす。

 その次の間にはエンラジーとも合流し、合流したと同時に壁をもう1つ反対側に作成し、俺達を魔力の壁で覆う。そして後ろの壁に籠るかのように、亀の甲羅に籠るかのように魔力の壁を弄り、その表面にまたしても滑りやすい性質へと換えた水球で覆い、その上にまた同じ形をした魔力の壁を、その上にまた滑りやすい性質の水球を、その上にまた、と層を作ってしばらくの間巨人の攻撃を堪えれるようにする。



 「無事か!」


 「なんとか、ね」


 「すみません、助かりました」



 安否確認をすれば問題は無いようだった。

 ならば今の間に思い付いた作戦とも言えない大雑把な方針を伝える。



 「水帝、お前は守りと俺達の誰かが怪我をした時の為の回復に努めてくれ!


 エンラジー、お前はあの槍をお前の炎で灼き斬れ!出来れば刀身残して、だ!それ以外は生き残ることだけに専念しろ!


 俺はその間、1人で奴を請け負う!水帝の防御も必要無い!」



 俺が方針を伝えている間も巨人の槍は常に俺の結界とも言える魔力の壁を攻撃していた。3回に2回は表面の水球によって攻撃をいなし、残り1回で壁を破壊される。壁を破壊される度に破壊された壁を覆っていた水球が下の水球に合流してよりいなせる回数が増していくが、それでもやはり壁は破壊される。


 今は6回に1回ほどで壁が破壊されている。残る壁は5枚だった。


 そんな状況の中、水帝は「なんで指図されなきゃいけないのかしら。まぁ聞くけど」と、エンラジーは「無茶言わないでくださいよ!それしか無いならやりますけど」と返して来た。



 「この壁が破壊された時、今壁の表面を覆ってる水球をお前等に一時的に纏わせる。その滑りやすさでこの一帯から離脱しろ。方法は任せる。


 お前等が離れるまでの間、俺はこの槍をなんとかする。

 作戦開始の合図は最後の壁が壊れた時だ!」



 俺の言葉に頷きで返した2人は、各々魔力を練り始めた。

 水帝は離脱と回復と防御の為に、エンラジーは離脱と槍を灼き斬る為だろう。


 俺は俺で、壁や水球の維持をしつつ身体強化に魔力を回復した直後に回し、今出せる最大まで強化して来るその時に備える。


 魔力の壁を壊される度にいなすのに回していた水球を操り壁の内側へと移動させる。そして2人に水球を纏わせる。


 円滑剤と言える水球の量が少なくなり、魔力の壁の強度も落としたため5枚有った壁も無傷の壁1枚にヒビの入りまくった物1枚となった。



 「そろそろだ、行くぞ!」



 そしてヒビ割れと共に無傷の壁も割れ、次の槍が奮われようとした。



 「今だ!!」



 割れたと同時に叫び、各々が動き出す。

 2人がどう動いたかはわからない。だが俺が今することは1つ。目の前に迫る槍を取り出した大楯を斜めに構えて受け止める態勢に入った。



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