第1層:VSトランレオン
執筆シテイタデータガ全部消エタ……。
今回ボス戦の戦闘にしては珍しく短いです。
「させません!!」
ガレリアに迫る舌をエンラジーが庇うように間に入って斬り掛かる。
こちらに向かってくる勢い殺すようにガレリアの体を受け止めながら後ろへと下がり、後ろに下がると同時に身体強化を行い、今まさにエンラジーに斬り付けられた舌を仕舞おうと戻っているトランレオンの舌を追い越しその懐へと入り込む。
下顎に到着したと同時にその下顎に向かって掌底を放つ。仕舞われようとしていた舌はそこで一旦止まり、そうして稼いだ時間の間に追い付いたエンラジーが水と炎を纏った刃で回転するように斬ることで完全に舌を斬り落とした。
トランレオンが声になっていない悲鳴を上げる。
悲鳴と同時にトランレオンは大きく口を開けた。そんな隙を帝である水帝が見逃す筈もなく、ヤツの口の中に水球を作り出した。
恐らく風帝を気絶させたのと同じ方法でトランレオンを殺すつもりなのだろう。殺意が高くて何よりだ。だが、今回の主役はあくまで俺とエンラジーとガレリアの3人だ。帝がしゃしゃり出て良い場面じゃない。
だから俺も水球を水帝の水球の近くに同じように作り出し、そしてそれを操作して水帝の水球に統合させその制御を奪う。
「なっ?!アンタねぇ!!」とか聴こえたがそれを無視し、奪った水球を操作してエンラジーの水の刃にエンラジーが違和感無いようにエンラジーの魔力の波長に可能な限り寄せたその水球の水を少し分け、残った水球を俺は自分の拳と脚に纏わせた。
それ等一連の動きが終わった直後、トランレオンは逃げよう踵を返していた。
直ぐ様回り込み蹴って今俺達が居る方へと向きを変えてやろうと動き出そうとした瞬間、トランレオンはまたも悲鳴を上げた。まるで天に吼えるように体を仰け反らせたトランレオンの鼻先を見てみれば、まるで無数の刃で切り刻まれたような痕が付いていた。
反射的にガレリアを見れば、片目を瞑って親指を立てていた。
「エンラジー!」
「わかってます!」
俺の呼び掛けにエンラジーは直ぐ様答え、ヤツの体を支えるその後ろ脚を、俺は拳に纏わせる水を刃のように操作して作った刃物で、エンラジーは己の得物である水の刃で、それぞれそのトランレオンの足首から下を一振で可能な限り斬り付け機動力を奪う。
更にトランレオンの悲鳴が上がる。今度は声になっていない悲鳴ではなく、ちゃんとした悲痛に聴こえる悲鳴を。
悲鳴が上がると同時、トランレオンの背中に急に獣の爪で切り裂かれたような4本の線が入る。目に見えず、しかし裂傷なんてことが出来るのは風属性だけだ。そして先程のことを加味すれば、この4本の傷痕はガレリアが付けたことだろう。振り向けば恐らくまた親指を立てて自慢気なカオをしていることだろう。
トランレオンが、まるで亀が甲羅に籠るかのように、恐らく腹を守ろうと体を完全に地へと付ける。亀のような硬い甲羅を持っていない生物がそのような行動を取れば、それはもはやただの隙でしかなく、その背中には今現在大きな裂傷が4つも有る。
俺とエンラジーはトランレオンの背中へと昇り、俺は水を纏った拳を、エンラジーは炎を纏った刃をそれぞれその傷の下に有る肉へと突き刺し、俺は纏った水を膨張させるように、エンラジーは臭い的に傷口から体内を焼くように、それぞれ突き刺した属性を増幅させトランレオンの内臓を攻撃する。
通算4度目悲鳴のような咆哮がトランレオンの口から放たれる。
それを最後にトランレオンは力無く地面へと体を投げ出し、数度痙攣した後、魔石と皮と目玉にその姿を換えた。
他にもまだ魔物が居るのかもしれない。そう思いその後しばらく身構えたが何も反応が無く、待機していた筈の炎帝が現れ「いきなり魔法陣が増えた」とか言い放ったことでこの場所のボスを倒したことを完全に悟った。




