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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第四章:強化期間・前編
151/689

「ぐぁ……」


 今回、終わりが中途半端ですが、次ページとの兼ね合い及び執筆時間の猶予的にここで区切るのがベストでした。


それと至極どうでも良いことですが、今ページタイトルの『ぐぁ』は『ぐ』『あ』の発音ではなく、『ぐぁ』で音的に『が』になるような発音だとお考えください。




 「ぐぁ……」



 溢れ出る血。止まることのない血が地下闘技場の地面を濡らす。


 切り落とした先から血は止まることなく流れ続け、切り落とした指はその血の池の真ん中に沈む。

 この程度の痛み、この程度の怪我、魔王に部下達と過ごした1ヶ月の間に何度も経験していたおかげで一応慣れていた。生きたまま心臓を抜き取られて死を実感するなんてことを何度も経験していれば、指が切り落とされるぐらいは些事と言える。


 ナイフを仕舞い、右手で切り落とした部分を指圧して血の流れを抑制する。

 そして空いた手で血の池に沈む薬指を摘み上げてスケルトンの前へと持ち上げる。



 「これで良いか」


 「…………あぁ、それで良い」



 スケルトンは切り落とした指を摘まんで、その断面を自身の腹の魔石へと押し当てた。


 すると徐々にだがその指の肉は、血管は、筋肉は無くなっていき、最後には骨だけが残った。

 そして何でもないかのように自身の左薬指の第1関節から先を外して、外した物を俺へと差し出してくる。



 「渡す前に確認だ。お前の何がそこまで突き動かしているんだ?」



 切り落とした指が骨になるまでの過程を見ながら治療用の魔術を傷口に掛けつつ、自作ポーションを傷口に掛けようとした時にそんなことを聞いてきた。


 これは、それこそレオポルドやストゥム達にも言ったことだし、魔王には散々言った事だったが、そんなに気になる事なのだろうかとも思う。


 …………気になるか。この手のことを聞かれる度に、その度にこんな思考をしているように思うが、やってることはまさに狂人だ。今回にいたっては、見方を変えれば完全にただの生活が便利になる嗜好品止まりの物だ。それを創るためだけに指を切り落としたんだ、気にならない訳が無いか。


 そんなことを思いつつ、口を開く。



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