高次元者達の殴り合い
正直腹が減っていたため何か食べたかったが、それを諦め地下闘技場へと向かう。
地下へと移動し、地下闘技場に近付くほどに凄まじい轟音が聴こえてくる。
更に近付けば、中で殴り合っているであろう2人の会話も聞こえてくる。
「本当に君は強いね!俺の運動の相手には最適だ!!」
「こちらは!かなり!いっぱい!いっぱい!ですがね!!」
「とか言いながらまだまだ余裕そうじゃないか!これならもう少しギアを上げても良いかな!」
「勘弁!願いたく!存じます!」
いちいち身体強化していなくとも魔王やスケルトンから漏れ出た魔力で、既に俺と戦った時以上に物理的に高位の殴り合いをしていることは見て取れた。
互いに拳や脚が相手に届くと同時に空間が震え、錯覚でなければ空間に穴が開いているとしか言えないような、まるで勢い良く殴り付けた地面を殴り付けた時のような物が衝突の度に生まれる。
そしてそれは、恐らくだが次の衝突の前には既に消失していた。修復されたのだろうか。
そんな殴り合いは、恐らく魔王が満足するまで続くことだろう。
俺は魔王に時間を作ってもらう立場だということはわかっている。しかし、今回数日寝たのもそうだが俺には1分1秒が惜しい。
「魔王」




