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復活
「どうしたんだい?」
「……いや、何でもない」
「ふぅーん」
今のやり取りで、正確にとまでは行かなくとも俺が何かを言うのをやめたことを悟られたことを悟った。
なんとも言えない空気になり沈黙が漂う。
こういう時、大抵最初に口を開くのは魔王だ。案の定、今回も最初に口を開いたのは魔王だった。
「それで?今回手に入れた物も見せてくれよ」
その言葉をキッカケに、魔王の玉座の間へと移動して指輪から最初の部屋から順に手に入れた今回の戦利品達を床へと広げる。
次々と取り出し、宝物庫の物も取り出そうとしたその時だった。
先に入れていた奴の骨を全て取り出したその時、骨が独りでに動き出し、宙に浮いたかと思うと、魔石を中心に骨が集まり、元のスケルトンへと戻った。
「は?」
「ふーいー、復ー活ー!そしーてー、ダーンジョーンーかーらもーだっーしゅーつー!」
「これは……」
予想もしていなかった事態に思考が停止する。
それからスケルトンがこちらに話し掛けて来るまで、俺は固まったままだった。




