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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第四章:強化期間・前編
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「今回も実りの有る攻略だったんだね」


 入った所から進み、海を通り、生物の体内へと入り、あの地獄へと到り、最後スケルトンと戦ったあのダンジョンの玉座の間での戦いを語った。


 宝物庫の物については話していない。どうせ後で全ての道具を魔王にどういう物か見てもらうんだ、戦果はその時で良いだろう。


 魔王は基本的に終始ニヤニヤしていた。

 流石にあの地獄でのことを話した時は目を見開いていたし、生きることを諦めかけたと話せば更に大きく目を見開いて、そして悲しそうなカオをした。

 その後のスケルトンとの会話については真剣な表情を浮かべていて、その後の戦闘について話せばそのカオは深刻さを増す一方だった。


 しかし俺が限界を越えて、武器も全て潰れて、己の肉体のみで戦い始めた辺りを話せばニヤニヤ顔へと戻っていた。


 時間が経つほどに己が強くなっていってると実感したと語れば、複雑そうなカオをしていたが、「良かったね」という相槌が返ってきた。


 そして決着について語ったところで話は一旦終わった。

 俺の話を聞き終えた魔王は、まるで俺から聞いた話を咀嚼するかのように目を瞑って唸り、2回頷いたら目を開いた。



 「今回も実りの有る攻略だったんだね」


 「あの地獄は、叶うことならもう2度と経験したくないけどな」


 「でもその地獄を乗り越えたからこそ長時間の戦闘については色々学べたんじゃない?」


 「だとしても、向こう数年は遠慮したいな」



 「そもそもその数年後まで生きてるか怪しいがな」という言葉は呑み込んだ。それは冗談だとしても今は言わない方が良いと思ったし、そもそもそれを口にする事事態が憚られたからだ。


 今回の攻略で俺の寿命はまた更に大きく削れたことはわかりきっていた。自覚出来る程度には命を磨り減らして、魂というエネルギーを消費して戦っていた自覚は有る。

 その事を自覚しているからか、自覚していなくてもか、己の死について語るのは今の俺にはなんだか荷が重かった。



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