一撃必殺
「きーみは、いーわーゆーるてーん才ーとーいーうヤツーだな。そーろーそろ余ー裕ーが無くーなーってー来ーたな」
「言う、割に、喋れる、程度、には、余裕が、有る、じゃねぇか!」
「それーは君ーもーだーろー」
何時間戦り合っただろうか?身体強化により感覚は鋭敏になり、周囲の動きは静かにゆっくりと動き、俺達だけの時間だけが速く過ぎ去り正確な時間がわからない。
しかし徐々にスケルトンの動きにも慣れて来て、スケルトンの動きを吸収して最適化した俺の動きは、スケルトンと表面上は拮抗するまでに技術的な差は縮まっていた。
身体強化に回す魔力は魔力が回復した傍から強化に回し、回した魔力を含め魔力練り、本当に徐々にだが強化を続け、今や音を置き去りにしている。
スケルトンから学んだことを一言で言えば、『必中の攻撃』だろうか。
スケルトンの戦い方は相手を捕まえ拘束し、確実に自分の攻撃を相手に当てる。その事に特化していた。
更にわかりやすく例えれば後手に特化した戦い方だ。相手に攻撃さえ、その攻撃を防ぎ拘束し、強化しまくった肉体の一撃を叩き込む。コイツの戦い方はこれを極めたものだった。
後手の戦い方という意味では俺も得意だ。しかしそれは相手の動きを見てそれに合わせて動いて隙を突くという戦い方で、全ての動きや攻撃を受け止め確実に攻撃を当てるというやり方ではない。
当然そういう戦い方が出来ない訳ではないが、それは俺が相手より圧倒的に強い場合だけだ。
コイツの戦い方はそんな上も下も無い。これだけを突き詰めていったという戦い方だ。コイツの言葉をそのまま信じるなら、300年以上の研鑽を詰んだ『相手を拘束し攻撃を当てる』はもはや一撃必殺だ。
それを崩すには、こちらも相手の動きに合わせるのが1番手っ取り早い。
この手の戦い方は突き詰めれば、全ての拘束を受け流せば何も出来ない。基点は拘束なんだ、これさえ潰せばどうにでもなる。
当然それをこれまでに乗り越えここまで仕上げているんだ、俺の戦い方の崩し方は心得ているだろう。
だから今は、その崩し方というのを学んでいるところだ。




