「嫌だって、お前な……」
「……俺はお前を殺したい。お前は俺に殺されたくない。そうだな?」
確認のために一応聞く。
俺は冒険者で奴はダンジョンマスター。討伐する側と駆除する側。双方が出会ったならそりゃ殺すか殺されるかになるのは当然だ。
それは奴もわかっているだろうに、帰って来たのは「いーやだ!」とかいう、ガキが言いそうな返答だった。
「嫌だって、お前な……」
「やっーと出ー会ーた人ー間と、このーまーまー終ーわるのーはいーやだ!」
「…………」
そんな奴の返答に、アクアレーザーを撃ち込んだ。
それをまた奴は大袈裟に避ける。
「な、なななーなー?!」
「今のところお前を生かすメリットが俺には無いこと。お前を殺さない理由が無いこと。お前を殺さなければ俺はここから出れないだろうこと。
以上3つの理由から、俺はお前を殺す。
お前の妄言が事実ならば、親しい者の所や自分の家に帰りたいと思うのは人間として当然の感情だ。だからその妨げとなるお前を殺すのは当然じゃないか?」
「…………それーはーー!そうだーけーど……」
「そういう訳だ、大人しく殺されてくれ」
瞬間的に身体強化を行い、スケルトンに一気に近付き、指輪から取り出した大鎚を思い切りスケルトンの左側面へと叩き込んだ。




