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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第四章:強化期間・前編
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「色々遅いだろ」


 遅くなってすみません!

 言い訳ですが、家に帰って来れたのが21時10分頃でした!!

 その分、今回は最近の中では長めに書きましたのでご容赦を……!




 「きーみーには、人のーここーろといーうものーはないのーか?!」



 1時間ほどスケルトンで遊んだあと、明らかに普通のスケルトンとは違うこのスケルトンのことが気になり、アクアレーザーを放つのを止めて、色々話を聞いて一段落してから出た言葉がそれだった。


 この自称リッチのスケルトンは、元々こことは別世界のダンジョンで死んだ冒険者ということを語った。


 この時点でかなり胡散臭い。

 しかし暇潰しと休憩には良いかと続きを聞いてみれば、他世界のダンジョンで死んだこのスケルトンは元々18歳の男で、彼女は5人居て嫁は8人居て愛人は100人を越える超モテモテだったらしい。


 だがそんな彼女達との酒池肉林を楽しむ日々の中、ダンジョンに潜った際に普段であれば現れない魔物が現れて、その魔物に喰われて死んだ筈だったらしい。


 そして気付けばこのダンジョンのダンジョンマスターとして存在しており、早300年が経っているそうだ。


 ダンジョンマスターというのは、ダンジョンの核であり守護者のことを言うらしい。このダンジョンマスターに関する知識は、ダンジョンマスターになったことで手に入れた知識だそうだ。


 何故自分をリッチと名乗るのかと言えば、人語を介せるスケルトンは総じて頭が良く、つまりそんなスケルトンはリッチしか居ない。だから自分はリッチなんだという弁だ。

 しかし当の本人は一切魔法は使えず、ただ喋れるだけのスケルトンに落ち着いているらしい。


 名前については思い出せないとのことだ。

 ダンジョンマスターになったことで生前の人格や知識に関する記憶は引き継げたらしいが、それ以外の人に関する知識は一切思い出せないらしい。



 こんな到底信じられない頭のおかしい胡散臭い話を意気揚々と語られ3時間。ようやく終わったと思った直後に出てきたのが先の言葉だった。



 「つまりお前を殺せばこのダンジョンは終わるんだな?」



 話を聞き終えて出てきた言葉はこれだけだった。

 というか、これしか言えない。


 到底信じられない妄想話に3時間も付き合わされたのだ。しかもコイツはダンジョンマスターで、俺は冒険者。この時点でコイツを殺す理由は十分だった。



 「おーおーお落ちー着ーけーー!何故ーそーなーる!!?」


 「お前の常識に当て嵌めろよ。お前はダンジョンマスターで俺は冒険者だ。ならダンジョンマスターの命を冒険者が狙うのはお前の常識の中では当然の常識じゃないのか?」



 ちなみにこの変な喋り方は、コイツが300年の月日を掛けて独学で学んだこの世界の言葉らしい。

 本当かよと思うが、もし事実ならコイツは天才かもしれない。


 それはさておき。


 俺が言った言葉にスケルトンはコッチを見て固まると、下顎が外れんばかりに口を無言で開いた。

 というか今その下顎が落ちた。


 そのまましばらくスケルトンは固まっていたが、復活したのか下顎を拾って顎に嵌めて、顔を近付けて来た。



 「たしかーにーー!そうーだーったーー!!」



 目の前で五月蝿くそう叫ぶと、スケルトンは急いだ様子で玉座へと戻りそこに座ると、偉そうに肘をついて、格好を付けてこう言った。



 「よーくぞ来ーたな、冒けーん者!我ーがちーからにーひれ伏ーすが良いいーー!」


 「色々遅いだろ」



 こんなことなら、コイツの妄想話に3時間も付き合うんじゃなかったな。



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