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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第四章:強化期間・前編
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一息吐く間も無く


 現れた魔物を時には斬り伏せ、時には串刺しにし、時には魔法で始末し、時には殴る蹴るで処理する。


 終わりは見えない。最初は小型の魔物が12体だったのに、今では数えるのも馬鹿らしい量の魔物が大きさや種類問わずに俺を中心としたこの空間の何処かに絶え間無く現れ続けている。


 1体倒せば2体現れ、2体倒せば4体現れた。


 俺の処理速度より追加される魔物の方が多いんだ、次第にその数が数えるのも馬鹿らしいほどに増えるのは道理だった。


 そんな状態だったため、最初小型の魔物12体が現れた時に垂れ流していた魔力の膜は20メートルほどの規模だったが、今では10メートルほどに抑えて展開し続けている。


 俺の魔力回復速度と魔力消費速度が10メートルに抑えることで、だいたい6対4の割合になる。

 魔物はこの10メートル以内にも普通に現れる。厭らしい時なんかは、戦闘中に喰らえばほぼ死ぬことが確定するような毒を持った小型の魔物がこの10メートル以内に現れる。それはポイズンフロッグと名付けられた蛙や、ヴェノムラットやヴェノムパイソンと名付けられた鼠や蛇、果てには見たこともない小さな虫まで現れる始末だ。


 この小さな虫こそ1番危ないと思っている。知らない上に、そんな至近距離に出して来るんだ、致死毒を持っていても不思議ではない。


 そんな気を抜けば簡単に近付かれるような小さな魔物まで出して、このダンジョンが全力で俺を殺しに来ていた。

 あぁ、中には全身金属鎧のような姿のアンデッドまで出てきて、その小型や中型や大型の処理中に邪魔をしてくるなんてことも有る。


 まさに地獄。まさにこの場所に訪れたことが俺の命運を分けたと言われてるような気さえするほどの殺意で押し寄せる魔物の大群を処理している。


 そう、処理だ。

 有り難いことに、処理速度は出現速度を上回ることは無いが、このような地獄は魔界でこれまでに何度も経験している。そのおかげでこの程度の圧であれば慣れていた。


 しかし、それはそれとして処理するのが面倒臭い。何より終わりが見えないのが精神的にキツい。

 しかも厄介なことに、倒した魔物はその都度戦利品へと姿を変える。つまりどんどん足許が足の踏み場の無い状態へと変わっていくのも面倒さに拍車を掛けていた。


 俺は指輪が有る。だから定期的に戦利品に触れて回収しているが、もし指輪が無かったらと思うとゾッとする。



 大中小、多種多様な魔物達を、処理して処理して処理して処理して処理して処理して処理して処理して処理して処理して処理して処理して処理して処理し続ける。


 終わりは見えない。



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