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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第四章:強化期間・前編
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 進んだ先を一言で述べるなら地獄だった。


 普通であれば進んだ先は肺だ。

 しかし目の前に広がる光景を他の言葉で表現出来ないほどに酷い有り様だった。


 色を言えば赤黒く、ダンジョン外の魔物や人間の害となった人間達を殺った時のような赤黒さだ。

 本来肺は空気の入る袋の筈なのに、目の前には赤黒い液体とそれに浸り喜ぶ蟲型の魔物にゴブリンのような魔物、他にも様々なDランク以下の魔物達が肺の中で赤黒い液体を量産していた。


 要するに、喰っていたんだ。肺の肉を。


 そのせいで空気の袋の筈である肺は己の血という液体で満たされ、正常に生体活動が出来ない。だから消化器も正常に働いていない。

 腸に行った時、最後まで糞に相当する塊や壁は無かった。ダンジョンだからそういう在り方なのかと思っていたが、これを見ればそんなことは有り得ないと判断出来る。


 つまり死に掛けなんだ、この体の持ち主は。

 だから小型の弱い魔物達に体内を好き勝手されている。


 ……という見方が出来る。未だにわからないこのダンジョンの攻略法は、今のところ2つだ。

 この肉体の持ち主の悪い所に巣くう魔物を殲滅し治すか、この肉体の持ち主そのものを殺すか。


 当然両方に両方のメリットデメリットが有る。

 そしてここがどういう場所に出来たダンジョンかを考えればどうすれば良いかは瞭然だった。



 流石にこの血に触れるのは、現時点では抵抗有る。

 だからここは魔法で解決する。


 魔物達それぞれの肉体的弱点へ向け、魚人達が使ってきた水の線で攻撃する。水属性だからアクアレーザーとでも名付けようか。

 本来、魔力で自分の思い通りに魔法を行使するのは俺の魔力量では十全には出来ない。

 しかし今の俺の魔力回復速度や魔法構築速度や奴等との強さの差を思えば、俺の望む結果に見合わない魔法行使も十分な効力を発揮する。


 その場即席に再現したアクアレーザーで、少なくとも目視出来る全ての魔物を処理した。



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