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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第四章:強化期間・前編
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体内


 鳥の魔物は地面に水溜まりを作ったあと、魔石といくつかの羽根、そして鉤爪と嘴の4種類へと姿を変えた。

 それを回収しつつ、さっきは鳥の魔物が襲って来たから途中で考えることを止めたが、足許を見る。


 相変わらず足許の地面はゴツゴツとした岩のようで、生物の物のようには見えない。

 しかし依然として魔王やラウムのような上位存在特有の圧、濃密な魔力は感じる。


 考えられる可能性はいくつか有るが1番の可能性は1つしか無いだろう。



 「…………」



 鳥の魔物が現れた場所、この島の中央へと向かう。


 近付いてみてようやくわかったが、その場所は何も無かったが激しい空気の流れが有った。まるで呼吸でもしているかのような空気の流れが。


 予測が確信へと変わり、だからこそその場所に目に見えない穴が有るだろうことを察する。故に目へと魔力を集めた。

 すると何も無いように見えていた場所は姿を変え、そこに2つの人が横に3人ほど余裕を持って入れるほどの大きな穴が2つ現れた。だからその中へ入って行く。

 さっき鳥を殺る際に見た周囲の海の様子から、これ以上歩いて進める道は無さそうだった。だからこれ以上進もうと思えば、この奥しか無いということになる。


 その先が行き止まりか、はたまた即死罠の袋小路か。

 どうなっているかは入ってみないとわからない。

 他に道が無いのだ、ここに入るしか無いだろう。だから入った。



 穴に跳び込むと落下による速度で着実に奥へ奥へと落ちて行ったが、呼吸のような空気の流れでその時々で落下速度に変化が有った。

 そうやって落ちながら奥へ奥へと進むと、遂に底へと着く。


 着地は問題無かった。何故か一切の落下の衝撃が無かったためだ。

 辺りを見回すと赤みの肉のような壁や地面に覆われた洞窟だった。

 この時点で、ここが大きな何か生物の体内であるということが俺の中で確定した。


 だからといってここで尻込みし立ち止まる選択肢は無かった。そのため先へと進む。



 進めば進むほど壁や地面が脈動するように動くことしばしば。俺が今通ってきた道を上の道と例えるとしたら、下の道と奥へと続く道の分岐点へと辿り着いた。

 生物の肉体構造を思えば、下の道はそのまま口内へと続いているのだろう。そして奥へと続く道が、そのままこのダンジョンの奥の道へと続いているように思う。


 しかし1つ問題が有った。このダンジョン最初の場所のように途中で水が入って来る可能性だ。

 それを防ぐ手立ては……結論だけを言えば思い付かなかった。

 自身の体で考えた時、もしも今居る地点に何かが唐突に発生したら絶対に慌てるだろうし、人によれば暴れるだろう。そしてそれが理性を持たない本能で生きる生物達であれば尚更だと考えた。

 そうした時、体内に居る俺は、この体の持ち主に暴れられればどうなるかわからない。口側の道を塞ぐなどの行動を行った時の問題が未知数だった。だから入って来る水を今ここで行える対処が思い付かなかった。


 だから更に奥へと進むことにした。



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