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魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺  作者: 荒木空
第四章:強化期間・前編
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魔物とは


 洞穴からダンジョンの中へ入るまでは、最初に挑戦したダンジョンと変わらなかった。

 そしてダンジョンに入り、つまり転移した直後の景色は、最初のダンジョンのピュアオーガの居たあの道によく似た洞窟のような場所だった。

 後ろを見れば転移の魔法陣が有り、最初のダンジョンの経験から今回は自由に出入り出来る事を察した。



 指輪からこの洞窟内でも振り回せる大きさの剣を取り出し、構えながら進む。

 するとすぐに『部屋』と呼べる空間に辿り着いた。


 中には入らず中を確認すれば、人間より遥かに大きい蟹が4匹居る。それぞれがそれぞれ思うように動いているようで、己の鋏を掲げる個体、鋏を口許へ持って行き手入れをする個体、何もせず突っ立ってるだけの個体、他3匹を囲うように動く個体と、自由に生きているようだった。


 そう、生きているようだった。普通の野生の魔物のように、ダンジョンの中で生きているようだった。


 改めてダンジョンに潜ってみて思ったが、魔物も色々と不思議な生物だ。

 魔石が体内に有る人間以外の生物の事を魔物と呼ぶというのが通説だ。他にも動物が魔力の基である魔素を体内に取り込み、その体内で魔石を作り出した個体を魔物と呼ぶという説もある。

 これは魔物と動物の強さが圧倒的に違う為に生まれた説だ。動物は、例え獣人族やエルフ族のようにその肉体や魔法に長けているという戦う術を持たない人族の子供でさえ武器さえ持てば狩れる体内に魔石の無い生物の事を言う。対して魔物は、戦うことに慣れた者でなければ、一般人ではどう足掻いても太刀打ち出来ない生物の事を言う。


 そんな動物や魔物を解体してきた昔の奴等が、口を揃えて「魔物と思われる個体の中には魔石が有った」「動物と思われる個体の中には魔石が無かった」と言い続けた結果、動物と魔物の違いは体内の魔石の有無というのが常識になった。


 しかしそんな魔物達の生態は動物と変わらないらしい。

 学園での授業や、図書館などに置いてある魔物に関する専門書を読んでも必ずこの一文が書いてある。どの専門書にもあくまでそういう考えが有るという書き方だったが。


 そんな魔物は、今のところ俺の中で大きく3つに区分出来る。

 人界の魔物、ダンジョンの魔物、魔界の魔物の3つだ。

 恐らく人界に生きる者の中で3つの魔物を知るのは俺だけだろう。だからこそ参考書なんかも無い訳だから、彼等の違いが気になりはする。


 しかしそれはダンジョン攻略には直接的には関係無い。

 物凄く気になるが、先に進むのが先決だ。



 指輪から弓と矢4本を取り出し、矢にペネトレイトを掛けてそれぞれの脳の在る位置目掛けて矢を射った。



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