確保①
□◇■◆(幸助)
城を出たところで女性陣三人に幸助には詰め寄られた。
「え、何?」
幸助は虎に睨まれた子猫になった気分になる。
「ああいう依頼は乗る気じゃないと思っていたのですが、最後に勇者様がやる気を出したのでびっくりしました」
「そうだにゃ。にゃんだかかっこよく見えたにゃ」
「え、あ、そう?」
「そんなことより、勇者様。あんな大口叩いちゃったけど、勝算はあるの? すごい自信満々だったじゃない」
「あるよ。多分問題ない」
「「「え!?」」」
三人は声を揃えて驚く。正確には一人は「にゃ!?」だったが。
「どんな内容で呼び出されたのか心配はしていたが、盗賊確保の依頼で安心した。そんなことならお安い御用だと思って、あの時発言してしまった。大口を叩いたつもりはない」
「「「……」」」
「信用していないのかお前ら?」
心外だ。非常に心外だ。
「じゃあ着いて来いよ」
不安そうにする三人を尻目に幸助は歩き出す。何も言わずに三人が付いてくる。
馬車小屋にたどり着くと、幸助は馬車を一台借りた。
「さあ乗り込め。地獄の馬車に」
酔うと分かっているのに乗らなくてはいけないのが辛い。
「え、どこに行くのよ?」
レスティが聞いてくるが、リアもトリストも同じように思っているのだろう。
「クラトゥ村だ」
「逃げるのですか?」
「おいおい、何言ってんだよ。そんなわけないだろう」
三人が馬車に乗り込んだのを確認すると、幸助は横になる。
「説明は着いてからだ。俺は寝る」
三人が目を合わせている。
信用されていないようだが、それは別に構わない。クラトゥ村に着けばわかることだ。
ただ、今は酔いたくないので寝る。
「ああ、そうだ。クラトゥ村に着く前に起こしてくれ。そうだな、着く十分くらい前がいいかな? よろしく」




