事務手続き②
「納期?」
「ああ。原稿を入稿してから、俺らのもとに届く期間のこと」
「あれ、いや、金額のことばっかりでその期間については話してなかったわ」
「そうか……。まだ大丈夫だろう。リアも次に泊まる日にはできるって言ってたから……つまりあと二日はかかりそうだからな」
幸助はあごに手を当てて考える。
「そうだな、レスティ。また明日、印刷会社に行って、納期について話をしてきてくれ」
「ごめんなさい。しっかり勇者様に確認しながら行っていればこんなミスはなかったはずなのに……」
レスティが頭を下げ何度もごめんなさいと謝罪をしている。
「いやいや、気にするな。まだあと二日も残っている」
幸助がレスティの頭を上げさせる。
「レスティなら間に合わせられると思っている」
「はい、絶対に間に合わせます」
レスティの目にミスを取り返してやるという決意が見える。
「勇者様、納期についてはどういった条件でしょうか」
「そうだな、できるだけ早く仕上げてほしい。可能なら入稿から一日で」
「一日ですか? それはどうなのでしょうか……」
「まあ普通は難しいかもしれないな。だから必要ならば金貨を五枚まで追加していい。ただしやたらむやみに提示するなよ。ちらつかせてできるだけ安く済ませてくれ。ちなみに入稿は二日後で交渉してくれ」
「できるだけ早くて安くですね。そして入稿は二日後……。わかりました。やってみせます」
レスティがこぶしを握る。
「うん、それでよろしく」
幸助は料理を食べ始める。
「別に俺は怒っていなし、失望もしていない。だから口調は戻していい。気にするな」
「あ、え、で、でも……。しっかりしなくてはと思いまして……」
伏し目がちになるレスティ。
「よし、じゃあ」
幸助は立ち上がり、レスティの隣に座る。
「俺は今日はここで食べようかな」
「え、な、何ですか急に」
戸惑うレスティ。
「いつものレスティらしくないからな。ほら、食べるぞ」
「は、はい。いただきます」




