表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界初心者  作者: 寿々喜 節句
第二章
73/141

デザイン⑥

  □◇■◆(幸助)



 翌朝、幸助が目を覚ますとリアが隣でこちらを見ていた。



「起きましたね、勇者様。おはようございます」


「おはよう」


「昨日はあれからどうされたのですか?」


「ああ、リアが寝た後村を一通り見て回った」

 幸助は目を擦りながらベッドに腰を掛ける。

「そのあとは中々眠れなかった。明け方過ぎにやっと眠たくなってきたって感じだった」


「馬車の中でもここに着いてからも勇者様は寝ていましたからですね」

 リアがコーヒーを淹れ、幸助に渡す。

「昼夜逆転してしまったのではないでしょうか?」


「それはあるかもしれない。今もまだ眠い」

 幸助がコーヒーを飲む。

「でもまあもう少しすると出発しないといけない時間か」


「ええ、そうですね」

 リアが名残惜しそうにする。


「その前に昨日、村を歩き回って思ったんだけど……。この村は一度魔物に支配されただろ。だからリアの結界魔法でもう一度囲っておいてほしい」


「わかりました。少し時間がかかりますが、やってみます」


「よろしく」

 幸助がコーヒーを飲み終えると、それに気が付いたリアが、おかわりをついでくれる。

「ところで結界魔法って魔物以外にも有効なの持ってあるのか?」


「ありますよ。魔物のみ、アンデットのみ、人のみ、他にもありますけれど、その全てに対応する結界があります。バリアの魔法もある意味では結界魔法といえるかもしれません」


「なるほど、勉強になるな。リアは治癒魔法以外もできるんだな」


「はい。勇者様に選んでいただけるように補助魔法も覚えています」


「補助魔法? さっき言っていたバリアとかか?」


「そうです。相手の攻撃を反射したりするバリア魔法だったり、例えば攻撃力や素早さといったステータスアップの魔法だったりですね」


「治癒師というよりもはや魔法使いみたいなもんだな」


「そ、そうですね。でも、一番得意なのは治癒魔法なので、治癒師だと自称しています」


「リアっぽい理由だな。それにしてもどうしてリアは治癒魔法や補助魔法を覚えるようになったんだ?」


「勇者様に選んでもらえるようにです。基本的に転移された勇者様は攻撃タイプが多いので、治癒や補助ができたほう選んでもらえると思ったからです」リアがいつになく真剣な表情で言う。「それに傷ついた人たちを癒すことに喜びも感じますし」


「うん、まあ理由としてはわかるが、それじゃあ保険がなくないか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ