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異世界初心者  作者: 寿々喜 節句
第二章
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会議?③

「それじゃあリア。チラシのデザインは任せていいかな?」


「わ、私ですか」

 急に仕事を振られリアが驚いている。


「ああ。リアは仕事が丁寧だからできると思ったから。やめておくか?」


「い、いえ。やります。一生懸命やらせていただきます」

 思わぬ仕事の割り振りにリアの目がキリっとする。



 それを見ていたトリストがうらやましそうにしている。



「僕ちゃんにはにゃにかやることはにゃいのー?」


「トリストにも仕事があるぞ。トリストはチラシが完成したら俺と一緒に配布をしてもらう」


「チラシ配り……。微妙にゃ仕事にゃ感じがするけど……勇者様と一緒にゃらまあいいにゃ」


「え、ちょっとちょっと! 私には何かないの?」

 トリストも役割をもらったのを見てレスティが焦っている。


「レスティにはレスティにしかできない仕事がある。レスティの交友関係から紙の調達と、印刷をしてくれる業者を探してきてほしい。そしてできるだけ安くなるように交渉をしてほしい」


「なるほど……。そうね、確かにこの中では私にしかできない仕事ね。やってみるわ」



 三人に平等に仕事を振る必要がある。誰か一人に仕事を振ったり、特別扱いすると空気が悪くなる。逆に誰か一人だけが平等に扱われない場合も同じ。これがなかなか厄介で、いつも頭を悩ませる。


 しかし今回は上手く仕事を振れたと思う。みんな満足そうな顔をしている……と思ったのだが……?



「私にはデザインという一番重要な役割を与えていただけるなんてありがたいです。力仕事と事務仕事のお二人はそれなりに頑張ってください」


「いやいや、私はお金の管理を任されているのよ? 一番信用されているってことよ」


「僕ちゃんは勇者様と一緒に仕事ができるにゃ」


「でも内容は一番誰でも出来そうなものじゃない?」


「そんにゃことにゃいにゃ! 勇者様は僕ちゃんの体調を知ってのことだにゃ!」



 急にマウントの取り合いが始まった。


 平等に仕事を振り分ければ、それはそれで厄介なこともあるようだ。イケメン店員の話のときは楽しそうにしていたのに……。



「おい、落ち着けよ。適材適所ってやつだよ。それぞれの仕事に優劣はない」



 幸助がそういうと三人は静かになる。



「リア、デザインは一緒に考えよう。レスティ、交渉で俺も同席したほうがよければ行ってくれ。トリストはチラシができるまで動きがないけど、地図を見ながら配布のプランを立てよう。はい。それじゃあ明日からそれぞれ仕事にとりかかってくれ。以上」



 今日の会議は解散となった。

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