表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界初心者  作者: 寿々喜 節句
第一章
53/141

王への報告①

  □◇■◆(幸助)



 キュオブルクには十時ギリギリに到着した。


 幸助は夜も遅いし王様への報告を出直した方がいのではないかと提案したが、女性陣三人は早めの方がいいと強く言うので、そのまま王様へ報告することになった。


 今日中に打ち上げをしたいという考えがあるのだろう。



 行きの馬車よりも帰りの馬車の方が酔ったのは、疲れのせいだろうか。気持ち悪さがピークを迎えている。


 馬車酔いが完全に醒めたわけではないので、ゆっくり歩いてほしいと思っている幸助をレスティは引きずる形で進んでいく。


 女性陣の歩きがいつもより早いと感じるのは、やはり早く報告を終らせて打ち上げをしたいからだろう。



「戻ったかぁ」



 王様の声が聞こえる。頭がぐあんぐあんしている。レスティに引きずられたせいで少し悪化している。


 王様に失礼に値するかもしれないが、今の状況で完璧な作法はできない。自分の身体を支えるので精一杯だ。申し訳ない。



「夜遅くに失礼いたします。ただいま戻りました」



 レスティに習いリアとトリストも膝を立てる。幸助は力なく座り込む。



「申し訳ありませんが、勇者様は疲労のためこのような状況ですが、いち早く報告したいということで、失礼を承知で参りました」


「そうかぁそうかぁ。それは気にせんでよいぞぉ」


「レスティ……ありがとう……」

 幸助が力を振り絞りレスティに伝える。



 王様との謁見のときはリアとトリストはおとなしい。ここで話すのは上流階級のレスティが適役だとわかっているのだろう。



「それでぇ、どうだったんじゃぁ」


「はい。討伐と浄化をしてまいりました。しかし、到着したときにはもうすでに、村人は全員、魔物の餌食になっており、助かったものはおりませんでした。また、魔法石の結界が破られていました。調査が必要だと思います」


「そうかぁ……それは残念だったのぉ……。結界のこともわかったぁ。しかしまぁお疲れさまぁ。報酬は金貨を用意しておるぞぉ。受け取ってくれぇ」



 王様はそう言うと、側近が重たそうな袋を持って現れた。代表でリアが受け取る。中は金貨のようだ。トリストは目を輝かせている。



「ありがとうございます」


「それとぉ、クラトゥ村の管理を君たちに任せることにするぅ」


「む、村をいただけるのですか? 確かルヴィ様の管理下ではなかったでしょうか」


「そうじゃよぉ。しかし村が救えなかった場合は、管理をしないと言われていたのじゃぁ」


「そ、そうだったんですね」


「そうじゃぁ。村人がいないのであれば、これからの発展を君たちに期待することにするぞぉ。それではぁ」



 王はそう言い解散となった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ