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異世界初心者  作者: 寿々喜 節句
第一章
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戦闘③

「水属性に炎属性で攻撃するとは思わなかったわ」



 戦いを終えたレスティが、リアにもらったポーションを飲みながら言った。アスリートのようだ。



「それなんだが、属性について教えてくれないか?」


「いいわよ。属性っていうのは、雷、土、風、炎、水と五つの属性が合って、雷は土に弱くて、土は風に弱いって具合にそれぞれ相性があるの」


「それはイメージできる。世界の理って感じだな」


「そうね。そして、そのほかに闇と光の属性があって、それはお互いに弱点であって、効果的でもあるの。ただ、闇属性……つまり黒魔術は使用禁止だけどね」



 黒魔術についてはリアから本をもとに説明を聞いていた。かつての魔王が黒魔術を使い、人々を苦しめたと言っていた。それ故に使用禁止となっているとのことだった。


 その黒魔術が闇属性に当たるようだ。



「なるほど。じゃあ実質光属性が弱点無しってことだな」


「そうなるけど、光属性を使う人は今はほとんどいないわ。闇属性の使用者がいないから、突出する強さがないのよね。私も闇属性はもちろん、光属性も覚えていないわ」


「そういうものか」



 幸助は転がっていた大木に腰をかける。レスティも隣に座る。


 トリストに目をやると、芋を諦めたようだが、やけくそになってアイテムを回収しているようだった。



「結局、属性の弱点ってあまり考える必要はないと思うけどな」


「そうかしら? 属性次第で、有利にも不利にもなるわ」


「まあ戦いやすさには関係するだろうけど、特に大きな問題にはならないんじゃないか? さっき教会で魔物を焼き払っただろう? そのとき魔物の死体がなかった。どうしてかなって思ったけど、ここでスライム状の魔物を見て、蒸発したと考えた」


「な、なるほど……」


「だから火力で蒸発させれば倒せると思って、トリストには魔物を小さく切り刻んでもらい、熱伝導率をあげたところで、レスティに強火で加熱してもらった」


「なんだか料理をしているみたいね」


「それに大体の生き物は炎に焼かれれば生命維持活動は停止する。炎に耐えられる魔物っているのか?」


「いるけど、滅多に遭遇しないわね。そういう魔物って大体身体全体が炎なのよ。だから水をかければ一発よ」



 炎に包まれた魔物……なかなかシュールだな。何を食べているのだろうか?



「炎そのものなのか……それだったら属性の理に逆らわずに倒した方がいいな」


「むしろ他に倒し方ってあるの? 属性を無視して戦える?」


「それはあるだろう。たとえばその炎の魔物だったら、爆破すれば死ぬと思うぞ」


「そうかしら? 炎の身体をしているのよ炎属性で攻撃しても意味ないと思うけど」


「そんなことはないだろう。爆破をすれば、一時的に酸素がなくなる。そうなると炎は燃料がなくなるので、絶える。何かしら燃料を体内に持っているのであれば別だがな」


「なによそれ。そんな戦いから知らないわ」


「風属性も詳しくないから机上の空論かもしれないけど、操れる風をたとえば二酸化炭素にした場合、炎には有効かもしれないな」


「意味がわからないわ。風属性の攻撃にそんな選択肢はないわ」


「そうなのか? でも勉強になったよ。自分でも調べてみる」


「ええ。何かわからないことがあったら何でも聞いて」



 幸助とレスティは立ち上がる。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 光属性と闇属性がキーになりそうですね [気になる点] >雷、土、風、炎、水と五つの属性が合って、雷は土に弱くて、風は草に弱いって具合にそれぞれ相性があるの 草じゃなくて土ですかね?
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