戦闘①
□◇■◆(幸助)
川に沿ってしばらく歩くと、開けた場所に出た。
「おい止まれ。スライム状の魔物がいるぞ」
幸助たちの視線の先に、だるだるのスライム状の魔物が川に向かって触手のようなものを伸ばしていた。かなり大きく、手ごわそうな印象だ。
「本当ね。多分あのスライム状の魔物があそこで汚染しているんだわ」
「それじゃああのスライム状の魔物を倒すにゃ」
「私はスライム状の魔物の汚染を浄化します」
幸助以外の三人は陣形を組み、スライム状の魔物に立ち向かう。
「ちょっと待っててね」
レスティがそういうと、三人は勢いよく飛び出した。
「スライム状の魔物! 覚悟するにゃ!」
「ここで終わりよ! スライム状の魔物!」
「スライム状の魔物さん、素直にやられてください」
三人の声に気が付いたのか、スライム状の魔物はこちらを向く。
「状じゃなくてっ、スライムだっ」
村の仲間が全滅していることに気が付いていないのだろうか、余裕があるようだ。
そしてしゃべり方はリュジーアと同じだ。スライム状の魔物的話し方なのだろうか。
気が付くと、トリストの姿がない。逃げたしたのだろうか。
幸助がきょろきょろとトリストを探していると、スライム状の魔物が真っ二つに分かれた。
切れ間からトリストの姿が見えた。
「僕ちゃんの【隠密】を舐めるにゃ」
トリストがさらにスライム状の魔物を切り割く。
すごいスピードで切っている。動きが素早いということは知っていたが、ここまでとは思っていなかった。
それに【隠密】とか言っていたが、姿を隠すことだろう。すごい技を持っているものだ。
しかし切り刻まれたスライム状の魔物が集まり再度大きな姿に戻る。
「全然っ、効かないっ」
「にゃー! せっかく切ったのに悔しいにゃー!」
トリストが地団駄を踏んでいる。
確かにスライム状であれば切っても元に戻るだろう。トリストとは相性が悪いのかもしれない。
「私の番よ。覚悟しなさい」
レスティが前に出る。
スライム状の魔物が触手を伸ばし、レスティに襲い掛かる。
レスティは的確に剣を振り、触手を切りつける。
何度スライム状の魔物が触手を伸ばしてもレスティは同様に攻撃を防ぐ。
レスティには余裕がみえる。攻撃は当たらないだろう。
「その程度の攻撃、無駄よ」
レスティが剣を構えなおす。
「サンダーボルト!」
レスティがそういいながら剣を振ると、剣の先から雷が出る。
素直にすごいと思ったが、掛け声なのか、呪文なのかよくわからないけど、ダサいとも思った。
意味としては分かりやすくて助かるが、そのまま過ぎてなんかダサい。
「水属性のあんたの弱点よ」
レスティが自慢げに言っている。
なるほど。スライム状だから水属性。水属性だから雷が弱点なのか。あとで詳しく属性について聞いてみよう。
びりびりとスライム状の魔物に電気が走っているようだ。これでけりが付いただろうか。
「残念だったなっ! 俺はっ、雷にっ、耐性をっ、つけてっ、いるんだっ!」
このスライム状の魔物は自分の弱点を理解し、それに対策を施していたようだ。素晴らしい向上心だ。優秀な魔物と言えるだろう。
「ったく。しぶとい奴ね」
レスティが一度引く。
「リジェクト」
リアが呪文のようなものを唱え、レスティに杖を向ける。
「ありがとう」
レスティはリアにお礼を言っている。
はてさて、今の二人のやりとりは何を意味するのだろう。あとで聞こう。
スライムの反撃が始まる。触手を複数伸ばし、三人に襲い掛かる。
リアは、応戦するすべを持っていないらしく、レスティに守られている。
トリストは素早く右へ左へ軽やかなジャンプを繰り返し、華麗に避けている。
スライム状の魔物の攻撃はレスティとトリストには当たらない。
しかしさっきの攻撃では相手に通用していない。
このままでは持久戦となり体力が奪われ、負けてしまうのではないだろうか。
幸助なりに考えて状況の打破を試みる。




