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異世界初心者  作者: 寿々喜 節句
第一章
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事情聴取③

「冒険をするのです。外にはモンスターや魔物がいますので、それらを倒し、世界の平和を守るのです」


「おお、そうですか……。皆さん、お志がお高いようで。ええ、それは結構なことだと思いますよ」



 誰が好き好んでそんな物騒なことをするんだろうか。



「それを勇者様がするのよ!」


「えー嫌だな……」

 あからさまに嫌な顔をする幸助。

「もしかしてこれがいわゆる、勇者と一緒にいると得られる名声ってやつか?」


「そうです。勇者様とパーティを組むと、実力が認められたと、みなされます。別に勇者様がいないパーティもありますが、勇者様の有無で、パーティへのクエストや討伐の依頼の内容に差があります」


「そんなもんなのかね……」

 幸助は今まで、他人の評価を気にせず生きてきた。

「まあ、向上心があるって解釈にしておこう」


「だから選んでほしいのよ。パーティメンバーに」


「じゃあこの四人でやればいいんじゃないか?」

 突然閃いたように幸助が言う。

「そうだよ、ちょうどいいじゃん。前線でレスティとトリストが戦って、サポートにリア」


「勇者様はにゃにをするにゃ?」


「応援」

 幸助は両手を叩くジェスチャーをする。


「ちょっとふざけないでよ!」


「ごめんごめん。でも、人数に制限ってあるのか?」

 三人は何も言わない。

「ないなら四人でいいじゃないか」


「「「え、でも……」」」

 困ったような表情の三人。


「問題あるの?」


「いえ、問題はないと思います……。ですが、普通の関係って訳ではないですよね、私達」



 一夜を共にしたことを言っているのだろうか。他の二人も俯き加減でもじもじしている。



「そうだにゃ。パーティって言うより、パートナーだにゃ」


「ええ、戦力として選ぶと同時に、女としても選んでほしいわ」



 これは大分こじらせてしまったようだ。自分のせいだと反省しよう。


 しかしまあ異世界に来たばかりでもう伴侶を決めるのもなぁ……まだ他にも色々やれそうだしなぁ……などと思案する。



「そ、そうだな……。しかし、あの……なんだ? ほら、そうだよ。成り行きじゃん? 成り行き。だからさ、四人で行動しようよ。な! そうだよ、そうそう。ほら、俺転移されたばかりじゃん? あまり分からないからさ、四人で行動して、お互いを知った上で、選ぶってことでどうよ。そうだよそれがいいよ。三人だって、俺のことよく知らないでしょ? 一緒に行動したら、あれ? やっぱこの勇者違うかも? って思うかもしれないじゃないか。それはあり得る。うん。どちらも選ぶ気持ちで共に行動しよう。トライアル雇用みたいなものだ。お互いのため。お互いのために、ここは四人で行動して、知っていこう。それがいい。うん。それしかない!」

 幸助はまくし立てた。


「トライアル雇用?」


「言いくるめられている気がします」


「もうにゃに言ってるかわからなかったにゃ」



 女性陣三人は幸助の勢いに戸惑っているようだ。




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